■心がすり減る
クライミングでのリードで
心がすり減る、
のです…。振り返ると…
1)三つ峠リード時代
ともかく落ちてはならんと当然のように思っているのと、そもそも落ちない程度なので、落ちるつもりは全くないので、ビレイヤーどころか、支点すら信用など一顧だにしておらず、まったくリード問題なし。むしろ、自分の作ったロープワークの支点がいいのか悪いのか、師匠の清高さんが評価(ダメだし)してくれず不満。(多分、OKだったんでしょう)
2)アルパイン的ゲレンデ時代(西湖の岩場)
ガイドの堤さんが整備した岩場で地元の山岳会では、年に一回の岩トレ(アイゼントレ)に使う。岩をクライミングシューズで登ったことがないのに、アイゼンで岩を登っていた時代。もちろん、クライミングシューズを履いたらリード楽勝なので、同期と20ピッチ目指してロープワークの習得で岩場に通っていた…ので、リードが怖いなんて、意味分からず…今思えば、3P 5.6。
3)リード怖い怖い期
そのまま、大ランナウトの3P 5.7の小川山春の戻り雪での練習にスライド。いや~、心すり減る!でも相方も信頼していたし…。自分を鼓舞していました。10Aのトムと一緒、登れず。
4)手繰り落ち
小川山屋根岩1峰で、10bにトライしてたぐり落ち。でも止めてもらう。2トライ目に完登。その日一番危険な人アワードを受賞する。
5)クラック修行
湯川。疑似リードさせてもらえず、不満を貯める。5.8だけリード。
6)小川山行っても登れるものがないんですよねぇ…な時期。
色々行くが小川山で私のリードに適した課題がない。このころ、三つ峠に行って楽勝で5.9をリード。あれ?みたいな楽勝さ。小川山の5.9は相変わらず、登れず。
7)ラオスに行って城ケ崎
城ケ崎でリードデビューしてみんなに一皮むけたね~と喜ばれる。ほとんどラオスで一皮むけたと思う。ラオスでは5cは全部登りつくし、6Aに行っていたころ。1日5~8本登る。小川山とエライ違い。
8)落とされる 頭を7針縫う
兜で。ちょっと違うムーブを試してみたかっただけなんだけど、落ちてキャッチしてもらえず、担がれて山を下りる。血みどろの岩場。そのあと、その場に行っていない…私の流した血はどうなったのだろう…
9)残念ながら山梨時代を去る…ので日々登る生活お終い
ヨガの日々に入ろうとするも挫折し、九州クライミングは、本匠の山女5.10bを1墜落で2撃でRP。リードはしたいけど、えらい怖い。特に日向神。愛のエリア。夢中歩行、文字通り夢中。
10)槙尾山の岩場(大阪)
でリード三昧すると、師匠の青木さんがビックリ仰天。師匠が連れている男子は私を見てリードしようと取り付くが静止される。君はまだダメ系。青木さんはビレイを信頼できるので登れる。
11)師匠のビレイもダメかもしれんと自覚
佐久の岩場にサブガイドみたいな感じで呼ばれていく。なんだかイケイケの女性がいてドン引き。別のペアのだらりんを指摘したら、師匠が「まぁ、クライマーが確実だからええやろ」と言う…そういう問題じゃない…佐久では過去に2度、浮石を掴んで落ちた先輩をキャッチしていた私の心の声…
12)九州でリードを強いられる…
というか、九州って、この支点なんなん?っていう疑問自体が解決できない‥‥ので疑念が深まる…一方で安心は増えず。人工壁も外岩クライマー向きではなく、ピラニアは良かったなぁ~とかベースキャンプ行きたいーとか思ってしまう
13)だんだん支点の謎が明らかになる ボルトの謎も解ける
14)三倉で撃沈
15)龍洞に一人で行く
楽しく登って、やっぱプロテクションは自分で設置すればいいでしょとか思う でも海外なので落ちないクライミング
16)関東のクライマーと登って登りこみのすごさを知る
それと比べたら、私はギリギリをリードしている…と自覚。12登れるスキルのある人が10台みたいな安全マージンのぶあつさ
17)怪我も重なりクライミングお休み中
まぁ怪我もしたし、古いクライマーと一緒だと、ビレイヤーもボルトも信頼できないのだから、登る環境にない、と結論。
心がすり減る問題は解決せず… 一番解決したのは、ラオス。そもそも、登っているときに落ちることを考えていない。
落ちることを考えていると、本当に落ちると思う。夫とか甘えやすい人がビレイヤーになってくれないかと思ったりする。なにしろ、私がムーブと格闘している間に、世間話とかをビレイヤーがし出すと、きちんと観察してもらっていないのではないかと思って、安心できずに登れなくなる… じわーとしか登れないので、そんな登りだと、パワーロスにつながっている。それは分かるが、スタティックにしか取る気になれない。無邪気にデッドとかありえない…と思う…。
墜落して頭を縫った翌日ですら、負けてはいけない、と思って岩に登っていたが、今回は 負けてはいけないとは思えない…むしろ、負けるべき、と思えてしまう…
対策がないまま、ボルダーへ。ボルダーもボルダーで危険でやっぱりやめた系。
■心がすり減る対応=安心して失敗できる環境
自分で流れを書いて納得。
三つ峠、大ランナウトの小川山、九州と、落ちること(=失敗)が許されない環境にいることが成長の足かせ。
落ちても大丈夫なところでバンバン落ちて、”失敗経験を積む”、”そこから自分の安全マージンを引き出す”というのが大事なことですね。
■二撃の事例
心がすり減る対策、で成功事例が2件ありました。1件は大蛇山。核心は2個あるのですが、1個目でクリップが遠いので、一旦降りて、再度トライしたら登れたのでした。その時は2撃で登れました。
小川山のボルダーで2段を登る先輩と初の4級を落とした時も、1撃目は一旦降りて、心を充満させてから再トライしたら登れたのでした。この時は登れるのは分かっていましたが、根性がいる系だ、と分かっていたので、一旦降りて、しばらくしてから登りました。先輩がビックリ眼でした。
この2つの事例は、普段の安全マージンから、より薄いマージンを取って登って成功した事例…
ここから、落ちるというライン…ここからは自分には無理…というラインの見極めが、落ちる経験がないと、ぶわーとした太い線になりますが、フリークライミングの世界と言うのは、その線がどんどん正確にシャープになっていく世界だと思う。これはダメ、これは行けるというのが明確化していくというか…