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2025/03/03

【クライマー指導法】切り離し型・局所型・慢心思考停止型・ベテラン

Q:

【以上の3タイプのクライマーに、クライミング能力、ロープワーク、セルフレスキュー、リスク管理などを身に着けされるのに、タイプ別のプランを大まかに計画してください】

A:

クライマーの3タイプ別 指導プラン

指導対象:
1️⃣ 経験と学習の切り離しタイプ(場当たり学習・考えない)
2️⃣ 情報処理が局所的タイプ(目の前のことに集中しすぎる)
3️⃣ 慢心・思考停止タイプ(確認を怠る・慣れによる油断)

指導するスキル:
クライミング能力(ムーブ・体の使い方・ルートファインディング)
ロープワーク(確保・リード・懸垂下降)
セルフレスキュー(自己脱出・ビレイヤーレスキュー・仮固定)
リスク管理(事前計画・ミスの防止・判断力)


🟠 1️⃣ 経験と学習の切り離しタイプ(考えずに登る)

📌 特徴:

  • 行動するが、原理を深く考えない。
  • その場の感覚で動くため、体系的な理解が乏しい。
  • 「登れたらOK」で終わり、間違いに気づきにくい。

📝 指導プラン

🔹 クライミング能力(ルート思考を養う)
登る前にルートを説明させる(ホワイトボードや指差しで)
✅ 登った後に「なぜそのムーブを選んだか?」を言語化させる

🔹 ロープワーク(流れを意識させる)
「なぜこの手順なのか?」を質問しながら教える
ペアで「間違い探し」トレーニング(わざと間違えた結び目を見つけさせる)

🔹 セルフレスキュー(なぜ必要かを理解させる)
想定シナリオを与えて「どうする?」と考えさせる
✅ 実技前に「何が起こるか?」をディスカッションさせる

🔹 リスク管理(事前計画を強化)
事前に「今日はどんなリスクがある?」を毎回考えさせる
「チェックリスト方式」を使い、習慣化させる


🔵 2️⃣ 情報処理が局所的タイプ(目の前のことに集中しすぎる)

📌 特徴:

  • 目の前の動作に集中しすぎて、全体の状況を見落とす。
  • ルートの俯瞰や、ロープの長さ計算などが苦手。
  • 判断が場当たり的になりがち。

📝 指導プラン

🔹 クライミング能力(全体像を意識させる)
「ゴールから逆算する」トレーニング「このルートの核心はどこか?」を登る前に考えさせる)
地図を読むように「ルート全体を説明させる」

🔹 ロープワーク(全体の流れを掴む練習)
「全体のプロセスを図にして書かせる」(例えば「懸垂下降の流れを3ステップで説明」)
「タイムプレッシャーなしでじっくりやらせる」(焦ると判断ミスが増えるため)

🔹 セルフレスキュー(全体の視点で計画させる)
実際の現場で「どこでどんなレスキューが必要になりそうか?」を考えさせる
「他の人がミスした時のシミュレーション」をやらせる(リーダー視点を持たせる)

🔹 リスク管理(判断の一貫性を持たせる)
「登る前に3つのリスクを挙げさせる」
計画をメモさせて、登った後に振り返る


🟢 3️⃣ 慢心・思考停止タイプ(慣れでミスをする)

📌 特徴:

  • 「まあ大丈夫だろう」と確認を怠る。
  • 経験があるため、初心者のような慎重さがない
  • 重要な場面での見落としが多い。

📝 指導プラン

🔹 クライミング能力(細かい部分を詰めさせる)
「初心者に説明するつもりで登らせる」(細かい説明ができるかチェック)
「間違ったムーブを再現させて、どこがリスクか考えさせる」

🔹 ロープワーク(初心者目線でチェック)
他の人のロープワークをチェックさせる(問題点を指摘できるか確認)
「自分が新人だったら、この手順で納得できるか?」を考えさせる

🔹 セルフレスキュー(即応力を鍛える)
「突然のトラブル」をシミュレーションで発生させる(想定外に強い)
「手順を間違えたら、一からやり直し」ルールを設定する(慎重さを取り戻させる)

🔹 リスク管理(慢心を防ぐチェックリスト方式)
「今日は何が起きる可能性がある?」を事前に問う
毎回ミスを振り返らせ、記録させる(ジャーナルをつけさせる)


✨ まとめ:タイプ別の最適なアプローチ



このプランなら、クライミング能力・ロープワーク・セルフレスキュー・リスク管理の全てを、各クライマーに合った形で身につけさせる ことができます。

どのタイプも 「ただ教える」ではなく、「考えさせ、アウトプットさせる」 ことで、より確実にスキルを定着させるのがポイントです。


■ 他の2タイプ追加

指導対象:

1️⃣ 「直感的・自律的・応用力が高い」タイプ(直感的・自律的・応用力が高い)
2️⃣ 「丁寧な指導が必要・積み重ね型」タイプ(丁寧な指導が必要・積み重ね型)

指導するスキル:
クライミング能力(ムーブ・体の使い方・ルートファインディング)
ロープワーク(確保・リード・懸垂下降)
セルフレスキュー(自己脱出・ビレイヤーレスキュー・仮固定)
リスク管理(事前計画・ミスの防止・判断力)


🟠 1️⃣「1を知って10を学ぶ」タイプ(直感的・応用力が高い)

📌 特徴:

  • 少ない情報から本質をつかみ、すぐに応用できる。
  • 理屈を理解するのが速く、実践を好む。
  • ただし、基礎を飛ばしやすく、思い込みでミスをしがち。
  • 挑戦を好み、自分なりの方法をすぐに試したがる。

📝 指導プラン

🔹 クライミング能力(基礎の補強と応用力の活用)
1つの技術から3つの応用を考えさせる」(「このムーブはどんな場面で使える?」)
基礎技術を意図的に制限したクライミングをさせる(例:「今日はスメアリング禁止」

🔹 ロープワーク(確実性を持たせる)
「間違ったロープワークをやらせて、どこが問題か考えさせる」(思考停止を防ぐ)
「効率化を考えさせる」(「この手順を1ステップ減らすとどうなる?」)

🔹 セルフレスキュー(シミュレーション重視)
「突発的なトラブルを設定して、自分で解決策を考えさせる」
制限時間を設けて即座にレスキュー判断をさせる」(「30秒で対応を決めろ!」)

🔹 リスク管理(ミスを未然に防ぐ)
「過去の事故例を見せて、何が問題だったか考えさせる」
「予測と現実のズレを修正する訓練」(「この場面でどんなリスクがある?」→登った後に振り返る)


🔵 2️⃣「10教えても1しか学べない」タイプ(丁寧な指導が必要・積み重ね型)

📌 特徴:

  • 1つ1つの理解に時間がかかるが、積み重ねると安定した実力になる。
  • 細かい部分に意識が向きすぎて、全体の流れを見失いやすい。
  • 失敗を恐れ、慎重になりすぎる傾向がある。
  • 応用力が低く、新しい状況に対応するのが苦手。

📝 指導プラン

🔹 クライミング能力(全体の流れをつかませる)
「まずゴールのイメージを見せ、そこから逆算して教える」
「最初は指示を出しながら登らせ、徐々に自分で考えさせる」(ステップ式)

🔹 ロープワーク(反復練習を徹底)
「手順を言語化しながら実践させる」(「今何をしているのか?」を口に出させる)
「毎回同じ手順で行わせる」(変動要素を減らし、習慣化)

🔹 セルフレスキュー(ゆっくり確実に習得させる)
「簡単な状況から始め、徐々に難易度を上げる」(最初は1つの動作だけに集中)
「チェックリストを用意し、毎回確認させる」(ミスを防ぐ)

🔹 リスク管理(シンプルなルール化)
「まずは『これだけはやる』という基本を決める」(例:「登る前に3つのチェックをする」)
「過去の成功・失敗を振り返る習慣をつける」(「この判断は正しかったか?」)


✨ まとめ:タイプ別の最適なアプローチ

タイプ 学習の特徴 最適な指導法
1を知って10を学ぶ 直感的・応用力が高いが基礎を飛ばしがち 応用課題とシミュレーションで鍛える
10教えても1しか学べない 理解に時間がかかるが、積み重ね型 反復練習とチェックリストで定着させる

このプランなら、それぞれのタイプに最適な方法で クライミング能力・ロープワーク・セルフレスキュー・リスク管理 を効率よく身につけさせることができます。

特に 1を知って10を学ぶタイプには応用的な課題を与え、10教えても1しか学べないタイプには段階的に積み重ねる ことで、両者の学習効率を最大化できます。

■ ベテラン

「経験年数が高く、技術が陳腐化しているのに、最新情報を不要と考えるタイプ」の指導プラン

📌 特徴:

  • 過去の成功体験 に固執し、新しい技術や知識を学ぶ意欲が低い。
  • 「俺は昔からこうやって登ってきた」「このやり方で問題なかった」と考えがち。
  • 変化を拒否し、最新のトレンドや技術に否定的。
  • 経験が長いぶんプライドがあり、指摘されると反発する傾向がある。
  • しかし、基礎的な部分はしっかりしているため、適切な刺激があればアップデートが可能

🎯 指導の基本方針

1️⃣ 「正面から否定しない」(プライドを守りつつ変化を促す)
2️⃣ 「本人の経験を活かしながら、新しい知識と結びつける」
3️⃣ 「実際のデータや安全性を根拠に、必要性を納得させる」
4️⃣ 「対話形式で、本人に気づかせるアプローチを取る」
5️⃣ 「競争心や好奇心を刺激し、学ぶ意欲を引き出す」


📝 指導プラン

🔹 クライミング能力(ムーブ・ルートファインディング)

🛠️ アプローチ
「最新の登り方 vs. 旧来の登り方を比較」

  • 例:「このムーブ、昔はこう登ってたけど、今はこうすることで力を温存できるんですよ」
  • 旧来のムーブと最新のムーブを試させ、「どちらが合理的か?」を考えさせる。

「トップクライマーの登りを見せる」

  • 最新のトップクライマーの登攀動画を見せ、「彼らは昔とどう違うか?」を一緒に考える。

「若手と組ませる」

  • 若手のクライマーとペアを組ませ、「最近のクライマーはこんな風に登ってますよ」と自然に新技術に触れさせる。

🔹 ロープワーク(確保・懸垂下降)

🛠️ アプローチ
「安全性を強調する」

  • 例:「昔のこの結び方(ブーリン)、今では〇〇の理由で推奨されなくなったんですよ」
  • 具体的な事故例を示し、「最新の技術で防げる」ことを納得させる。

「一緒に検証する」

  • 例:「どっちが早く、安全にセットできるか?」と旧来技術 vs 最新技術で実験。
  • 実際に手を動かさせ、違いを体感させる(理屈より実践が重要)。

🔹 セルフレスキュー(自己脱出・ビレイヤーレスキュー)

🛠️ アプローチ
「実践形式で学ばせる」

  • 例:「昔ながらの方法 vs. 今のやり方でセルフレスキュー、どっちが早くできるか?」
  • 体感してもらうことで、納得感を持たせる

「最新技術の恩恵を実感させる」

  • 「今のやり方の方が負荷が少ない」「短時間で対応できる」など、実際に試してもらう。

🔹 リスク管理(事前計画・判断力)

🛠️ アプローチ
「過去の事故例を元にディスカッション」

  • 例:「この事故、昔の技術だとこうなるけど、今の技術なら防げる」
  • 過去の実際の事故をもとに、「どうすれば防げたか?」を考えさせる。

「あなたの経験が活きる場を作る」

  • 「最新技術と昔ながらの知識、どちらも大切。どう組み合わせたら最強の判断ができるか?」と考えさせる。

📌 指導のポイント(拒否感を減らす工夫)

✅ 1.「経験を尊重しつつ、新技術を繋げる」

  • NG例:「そのやり方、もう古いですよ」 → 反発される
  • OK例:「この技術、昔の〇〇の考え方がベースなんですよ」 → 興味を持ちやすい

✅ 2.「データや事例を見せて、論理的に納得させる」

  • 「昔の方法では、このリスクがあった。今は〇〇で改善されている」
  • 事故データや研究結果を見せると、納得しやすい

✅ 3.「競争心を刺激する」

  • 「どっちが早く確保セットできるか競争しませんか?」
  • 「この方法で登ると、今より少ない力で登れますよ」

✅ 4.「実際に試させて体感させる」

  • 口で説明しても響かないため、「やってみてください」 という流れにする。

✨ まとめ:タイプ別の最適なアプローチ

アプローチ 具体的な方法 狙い
比較体験 旧技術 vs 新技術を試させる 実感を持って納得させる
経験を尊重 「この技術は〇〇がベース」 プライドを守りながら受け入れさせる
データで説得 事故例・研究結果を見せる 論理的に納得させる
競争心を刺激 「どっちが速いか試しましょう」 やる気を引き出す
若手と組ませる 「最近の若い人はこうやってます」 最新技術に自然に触れさせる

🎯 最終ゴール

このタイプのクライマーは、「古いやり方を捨てさせる」のではなく、「昔の経験を活かしながら、新しい技術を取り入れる」 ことが重要。

  • 最新技術を押し付けず、「なるほど、確かにいいな」と思わせる のが成功の鍵。
  • 本人に「自分で学びたい」と思わせるように仕向ける のが最善の指導方法。

このアプローチなら、経験にこだわるクライマーでもプライドを傷つけずに、最新技術を受け入れられるようになる

■ 作者の感想

日本の指導法には、ステップ式しかなかったことが、事故多発の原因では?

不足しているのは

1)事前のシミュレーション(事故想定)

2)チェックリスト

3)ジャーナリング

4)最新技術のトップクライマーからの取り入れ

の4点のようですね。