2025/04/21

初心者向きビレイ指南

🧗‍♀️ビレイを学ぶ初心者へ

命を預け、命を守るということを本気で学びたいあなたに


🔰ビレイとは──人の命を受け止める行為

ビレイは、ただロープを持つことではありません。
クライマーが落下したとき、その命を「止める」ための行為です。

そしてその責任は、たった一度の失敗でも、大怪我や命を落とすという結果につながります。

私はこれまで多くの現場でビレイをしてきましたが、ある時期──
「落ちる練習」を当然のように私に求めてくる人たちと登ることになり、膝を脱臼し、アキレス腱を断裂するという事故を経験しました。


❗️実際にあった「困った初心者の態度」

1. 「ロープは持ってないので貸してください」と何度も言う人

ロープは、命をつなぐ道具です。
「自分で登りたい」と思ったその日に買うのが当然であり、
しばらくやってから買う、という考え方は命に対して無責任です。

▶️貸し借りが信頼の上で起こるのは、お互いに準備をしている者同士に限ります。


2. 「ビレイ教えてください!練習台になってください!」

ビレイは初心者1人に対し、2人以上の経験者が必要な行為です。

教える側も命がけで支える準備があり、
その体制がない場所で「教えてください」と言うことは、
「あなたが万一落ちても責任取れません」と伝えることと同じです。

▶️練習台になることを当然のように要求するのは、誰かに命を張らせる行為であり、礼儀を大きく逸しています。


3. 古いロープを「まだ使えます」と持ち込む

ある人は、古びた、すでに廃棄すべき状態のロープを平然と持ち込み、
「まだ使えるから」と自信満々に言いました。
でも、そのロープで落下が起きていたら、命が守られる保証はなかったのです。

▶️ロープの点検もできない人が「ベテラン気取り」をすると、本当の事故が起きます。


✅命に誠実な初心者がしていること

  • 「登りたい」と思ったその日にロープを買う

  • 自分のロープを大切に管理する

  • 教えてもらうことに感謝と覚悟を持つ

  • 落ちること・支えることをセットで学ぼうとする

  • パートナーの命も自分の命と同じくらい大切にする


🧠私が取ってきた判断(経験に基づくもの)

  • 自分のロープを持ってこない人とは、登らない

  • 安全にお金をかけられない人とは、ロープを結ばない

  • 体制が整っていない場では、教える役を引き受けない

  • 信頼関係のない状態で、落ち役は引き受けない

これらの判断は、冷たさではなく、命を守る文化への誠実な態度です。


🕯最後に

クライミングは、ただ登るスポーツではありません。
命を預け合う、誠実なパートナーシップの芸術です。

だからこそ、あなたがビレイを学ぶときには、こう問いかけてください:

  • 「私は、誰かの命を守る準備があるだろうか?」

  • 「誰かに命を預けるだけの責任ある姿勢を持てているだろうか?」


その問いに誠実であればあるほど、
あなたは安心して迎えられ、育てられ、
やがては誰かを守れるクライマーになるでしょう。

あなたの命が、山の中でも、つながるすべてのロープの中でも、
いつも敬意の中に置かれますように。


構成や表現など、さらに調整したい箇所があればお知らせください。ZINE用にビジュアル展開やリード文の追加も可能です。