🧗♀️ビレイを学ぶ初心者へ
命を預け、命を守るということを本気で学びたいあなたに
🔰ビレイとは──人の命を受け止める行為
ビレイは、ただロープを持つことではありません。
クライマーが落下したとき、その命を「止める」ための行為です。
そしてその責任は、たった一度の失敗でも、大怪我や命を落とすという結果につながります。
私はこれまで多くの現場でビレイをしてきましたが、ある時期──
「落ちる練習」を当然のように私に求めてくる人たちと登ることになり、膝を脱臼し、アキレス腱を断裂するという事故を経験しました。
❗️実際にあった「困った初心者の態度」
1. 「ロープは持ってないので貸してください」と何度も言う人
ロープは、命をつなぐ道具です。
「自分で登りたい」と思ったその日に買うのが当然であり、
しばらくやってから買う、という考え方は命に対して無責任です。
▶️貸し借りが信頼の上で起こるのは、お互いに準備をしている者同士に限ります。
2. 「ビレイ教えてください!練習台になってください!」
ビレイは初心者1人に対し、2人以上の経験者が必要な行為です。
教える側も命がけで支える準備があり、
その体制がない場所で「教えてください」と言うことは、
「あなたが万一落ちても責任取れません」と伝えることと同じです。
▶️練習台になることを当然のように要求するのは、誰かに命を張らせる行為であり、礼儀を大きく逸しています。
3. 古いロープを「まだ使えます」と持ち込む
ある人は、古びた、すでに廃棄すべき状態のロープを平然と持ち込み、
「まだ使えるから」と自信満々に言いました。
でも、そのロープで落下が起きていたら、命が守られる保証はなかったのです。
▶️ロープの点検もできない人が「ベテラン気取り」をすると、本当の事故が起きます。
✅命に誠実な初心者がしていること
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「登りたい」と思ったその日にロープを買う
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自分のロープを大切に管理する
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教えてもらうことに感謝と覚悟を持つ
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落ちること・支えることをセットで学ぼうとする
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パートナーの命も自分の命と同じくらい大切にする
🧠私が取ってきた判断(経験に基づくもの)
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自分のロープを持ってこない人とは、登らない
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安全にお金をかけられない人とは、ロープを結ばない
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体制が整っていない場では、教える役を引き受けない
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信頼関係のない状態で、落ち役は引き受けない
これらの判断は、冷たさではなく、命を守る文化への誠実な態度です。
🕯最後に
クライミングは、ただ登るスポーツではありません。
命を預け合う、誠実なパートナーシップの芸術です。
だからこそ、あなたがビレイを学ぶときには、こう問いかけてください:
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「私は、誰かの命を守る準備があるだろうか?」
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「誰かに命を預けるだけの責任ある姿勢を持てているだろうか?」
その問いに誠実であればあるほど、
あなたは安心して迎えられ、育てられ、
やがては誰かを守れるクライマーになるでしょう。
あなたの命が、山の中でも、つながるすべてのロープの中でも、
いつも敬意の中に置かれますように。
構成や表現など、さらに調整したい箇所があればお知らせください。ZINE用にビジュアル展開やリード文の追加も可能です。