この動画からのまとめです。
https://youtu.be/r7GzbNp4qVk?si=4qpBoqdM-qH_f-2f
1. 幼少期の攻撃性と発達の遅れ
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事実:2歳時点で約5%の男児が持続的な攻撃性を示す。4歳までに社会化されない場合、この少数派は将来、長期的な反社会的行動(捕食的犯罪など)に進むリスクが高い。
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解釈:幼児の攻撃性自体は病理ではなく、未熟な自己主張の一部。しかし、規制や社会化に失敗すると、未熟さが固定化され、ナルシシズムや捕食的傾向に発展する。
2. ナルシシズム=発達の停滞
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核心:ナルシシズム的傾向は、思春期レベルの自己中心性(自己重視・短期的視点・支配欲求)から先に進めなかった結果とみなせる。
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対比:健全な成熟は、共感・長期的思考・他者への責任を統合することによって成立する。
3. 思春期の反抗とロールモデルの不在
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正常な発達段階:思春期の男性にとって、規範を破り試す行動は適応的な側面を持つ(創造性・リーダーシップ・リスクテイクに結びつき得る)。
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文化的空白:信頼できる成熟した男性像が欠如すると、少年たちは「アンチヒーロー的男性像」(例:Andrew Tate)に惹きつけられやすい。この現象は、指導的存在の不在が生んだ「代用品」といえる。
4. 男性発達の最終段階
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成熟の指標:家族や共同体を導くこと、次世代のために方向づけること、自己利益を超えた役割を引き受けること。
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時間的視野の変化:
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子ども=「いま」
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思春期=「この10年」
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成熟した大人=「一生とその先(遺産・世代継承)」
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🔑 統合的な視点
男性の成熟とは、ナルシシズム的な「即時性・自己中心性」から、時間と関係を超えた「責任と持続性」へ移行するプロセスである。初期の社会化の失敗や、ロールモデル不在は、一部の男性を思春期レベルに停滞させ、その結果として本人や社会に深刻な影響を与える。
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【幼少期】2歳〜4歳
↓
- 攻撃性は未熟な自己主張の一部
- 4歳までに社会化されないとリスク大
- 約5%が「持続的攻撃性」を示す
【停滞リスク】→ 発達の遅れ → ナルシシズム化
↓
- 思春期的な自己中心性が固定化
- 支配欲・短期志向・共感の欠如
- 一部は捕食的犯罪傾向へ
【思春期】10代
↓
- ルール破りは発達上「正常な試み」
- ただし、健全な男性モデルが不在だと
└ アンチヒーロー(例:Andrew Tate)に魅了されやすい
- 反抗心やリスクテイクは適切に導けばリーダーシップや創造性に発展
【成熟期】大人
↓
- 自分を超えて他者・次世代へ責任を担う
- 家族や共同体を導く
- 長期的・多世代的な視野を持つ
【時間的視野の変化】
子ども:「いま」
思春期:「この10年」
成熟大人:「一生とその先(世代・遺産)」
いい問いですね。クライミングに置き換えると、とても鮮明にイメージできると思います。
クライミングにおける「自己中心的な即時性」
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自分の登りたい欲求を最優先
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「今日この一本を登り切りたい」「自分が注目されたい」
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安全や仲間への配慮が二の次
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ビレイを軽視、無謀なトライ、環境破壊(チョーク・岩の傷)も気にしない
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時間軸は“今この瞬間”
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“登れた/登れない”という即時的な満足や挫折で行動が決まる
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→ これは「自己中心的ナルシシズム」の発達段階に近い。
「長期的責任と世代的視野」
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仲間の安全や成長を優先する
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自分が登るだけでなく、後輩の学びや仲間の挑戦を支える
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自然や岩場を守る責任感
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ゴミを持ち帰る、環境を傷つけない、地域の人との関係を考える
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文化や技術を次世代に渡す意識
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トポを整理する、経験を言語化する、クライミング文化を伝える
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時間軸は“世代を超えて”
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「自分の登り」だけでなく「未来のクライマーも同じ岩を楽しめる」ように考える
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→ これは「成熟した大人のクライマー」の在り方。
比喩的に言えば…
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即時性の段階では「一本のルートに夢中になり、自分の登りだけが全て」。
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長期責任の段階では「一本の岩場を次世代へ残すために、自分の登りを位置づける」。
つまり、クライミングは 「自己満足の遊び」から「共同体と自然に責任をもつ文化的実践」へ と広がっていく道を歩ませる活動、と捉えられると思います。
■感想
やっぱりそうか。家庭内で父親の存在感が薄いと、社会化が遅れ、男の子は、男になれないのです。