最近知った言葉。
クライミングで、大人から始めた人が、成長期にある子どもたちと同じ価値観で指導されるのに、長く違和感を感じてきました。(関連記事)
というのは、大人からのバレエで、子どもにバレエを教えるのと大人に教えるのでは全く違うことを20年のバレエ生活で経験済みだったためです。
植物に例えると、子ども=栄養成長中、大人=生殖成長。
栄養成長というのは、自分自身の体が大きくなることです。
生殖成長というのは、子孫を残すための活動です。
ので、大人からスタートした趣味のスポーツでは、本人が上達するという以外の目標で成長できることを目的として、学ぶことが大事なのではないか?と思います。最初から次の人に教えられることを目指すというものです。
大人のバレエで、誰もその人が将来プリマドンナになると思って、指導したりはしません…(笑)。かといって技術的に間違ったことを教えるわけではありません。
大人からのクライミングで、厳しいトレーニングってのは、本末転倒感ありです。もちろん、どんな人にもトレーニングの成果は、バッチリ出ます。が、プラスよりマイナスが多いようなトレーニング…上達より怪我が多くなる…を強いるのは、子どもに対する指導と同じ内容を大人に強いようとする世界観だと確信中です。
栄養成長中の子どもですら、その中から世界的なプレイヤーになるというのは、万に一つのケースです。ので、子どもにも、グレードを追いかける(達成だけを価値とする)価値観は教えないほうが、おそらく挫折を少なくできます。
たとえ子供でも、1万人に一人、天才はいるかいないか?です。天才はかってに成長するします。最初から指導はいらないのです。九州でも、クライミングの世界的スターを二人ほど、知っていますが、そう言う人は、そもそも指導自体がイラナイ。
ので、そもそも99%の子どもが世界のクライマーになることがない世界では、指導者が栄養成長的な指導をしないほうが、多くの幸福を作り出すことができます。指導者にもメリットがある。
■ では、何を成功の目安とするか?
バレエの世界で、大人のバレエの成功は、健康、です。
クライミングでも、同じではないでしょうか?
ヨガでも、ケン先生は、究極の目的は、サマーディ(悟りを得ること)ではなく、
健康だ
と言っていました。
私の考えでは、生殖成長…その活動で、ほかの人を助けるようになったら、まぁ、それはサマーディに到達したことと同じであると思います。
他の人を助けられるなら、自己増殖的にその活動は増えていくことが可能だからです。