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2025/03/08

ジャイアンリサイタル化はクライミングの多様化ではない

 ■ ジャイアンリサイタル化

クライマーに多いジャイアンタイプが陥るのは、現代的視点でみれば、すごくもなんでもないルートを、自らすごいという視点で誇らしげに語り、”ジャイアンリサイタル化”してしまい、成果を誇示するつもりが、実は逆に欠点を宣伝してしまっている結果に陥るリスクかもしれない…

これは多様な価値観を認める、というのとは、全く異なる。

なぜなら、先鋭登山というカテゴリーにおいては、もはやすごくないものをすごい、と自己宣伝すれば、それは、勘違い、が露呈するだけだからだ。

栗城劇場と同じ仕組みだ。栗城劇場とは、”ジャイアンリサイタル化”のことだったのだ。

■ジャイアンタイプが持っていそうなビリーフ

  1. 報復ビリーフ – 力で抑え込まれるという恐れ

    • ジャイアンは「力で支配する」タイプですが、それは「自分が抑え込まれる前に、先に支配しなければならない」という無意識の恐れから来ている可能性があります。
    • 例: 「俺の言うことが聞けないのか!」と友達に対して威圧的に振る舞う
  2. 否定・批判ビリーフ – 自分の意見や感情は否定される

    • ジャイアンは「俺の歌をバカにするな!」とよく言いますが、これは自分の表現(ジャイアンリサイタル)を否定されたくない強い思いがあるからです。
    • 例: 歌をけなされると激怒して暴力的になる。
  3. コントロール喪失ビリーフ – 自分の感情や状況を制御できない

    • 感情の起伏が激しく、特に怒りをコントロールできずに暴走することが多い。
    • 例: 怒りにまかせてのび太を殴るが、ドラえもんの道具で仕返しされると逆ギレする。
  4. 孤立ビリーフ – 自分は周囲と馴染めないと感じる(隠れた部分)

    • ジャイアンは友達を支配しようとする一方で、のび太やスネ夫が離れていくと焦ることがある。これは、心の奥で「自分は本当は受け入れられていないのでは?」という不安を持っている可能性を示唆します。
    • 例: みんなに無視されると、急に優しくなって「友達じゃねぇか」と言い出す。
  5. 恥意識ビリーフ – 自分は恥ずべき存在だと感じる(隠れた部分)

    • 「弱い自分」を見せるのを極端に嫌がり、負けを認めたがらない。
    • 例: 母親の前では「強気な自分」を維持できず、急に従順になる。

ジャイアンは表面的には「俺様」ですが、その背景には「支配しないと自分がやられる」「バカにされたくない」「本当は仲間外れが怖い」というビリーフが隠れているかもしれません。

■ 処方箋

ジャイアンタイプのクライマーが「ジャイアンリサイタル登攀」に陥るのを防ぐためのセラピスト的対応

ジャイアンタイプのクライマーは 

「自分の成果を誇示したい欲求」 と 「本当は認められたいという不安」 

を内に抱えていることが多い。したがって、

 単に「それ、すごくないよ」と指摘するだけでは逆効果になりやすい

セラピスト的な関わりでは、以下のようなアプローチが有効となる。


1️⃣ 認知の歪みを修正する:成果誇示 vs. 実際の評価

💡 対応: 「事実ベースのフィードバック」
ジャイアンタイプは、現代的視点では特に先鋭的でないルートを「すごい」と自己宣伝する傾向がある。このギャップを埋めるために、現実的な評価基準を伝える。

  • 🧗‍♂️ 例: 「そのルート、80年代なら革新的だったけど、今は標準的なルートになってるね。現代の視点ではどういう価値があると思う?」例:屋久島フリーウェイ
  • 🎯 目的: 誇示の前提になっている「価値観のズレ」に気づかせる。

2️⃣ 本当の「すごさ」を定義し直す

💡 対応: 「過去のすごさに執着するのではなく、現代に通じる強みを見つける」

  • 🧗‍♂️ 例: 「君のクライミングのすごさって、ルートの難易度だけじゃなく、持久力や危機管理能力にもあると思う。そこにフォーカスしたらどう?」
  • 🎯 目的: 「すごさ」の定義を、ひと昔前の先鋭登山基準から、より普遍的な価値(判断力、応用力、影響力など)へシフトさせる。

3️⃣ 「誇示しないと認められない」という思い込みを緩める

💡 対応: 「成果ではなく、プロセスの価値を認める」

  • 🧗‍♂️ 例: 「登ったルートよりも、どう考えてそのルートを選んだかのほうが興味深いよ。」
  • 🎯 目的: クライミングを「すごいことをする場」ではなく「探求の場」として捉え直せるようにする。

4️⃣ 承認欲求の健全な方向づけ

💡 対応: 「成果の発信方法を変える」
ジャイアンタイプは「すごい」と言われたい欲求が強いが、その伝え方を変えるだけでも印象は大きく変わる。

  • 🧗‍♂️ 例: 「このルートの意義を伝えるなら、『すごい』って言うより、『この経験から学んだこと』を語る方が伝わるかもよ?」
  • 🎯 目的: 自己アピールのスタイルを、誇示型から「共有型」に変える。

5️⃣「ジャイアンリサイタル化」への気づきを促す

💡 対応: 「自己認識を深める質問を投げかける」

  • 🧗‍♂️ 例: 「もし他のクライマーが、君がすごいと思えないルートを『めちゃくちゃすごい』と宣伝していたら、どう感じる?」
  • 🎯 目的: 自分の誇示が逆効果になっている可能性を、自分自身で気づけるようにする。

🎯 最終目標

ジャイアンタイプのクライマーが 「すごさを誇示すること」 ではなく、
「クライミングの本質的な価値を見出し、それをシェアすること」 に意識をシフトできるようサポートする。

単に「誇示をやめろ」と言うのではなく、
「何を本当に伝えたいのか?」 にフォーカスし直せるよう、丁寧に導くことがポイント!

■ 自己アピールのスタイルとその事例

自己アピールにはいくつかのスタイルがあり、どのように伝えるかによって、相手の受け取り方や印象が大きく変わる。ここでは、3つの自己アピールスタイル と、それぞれの クライミングにおける事例 を示す。


1️⃣ 誇示型(ジャイアンリサイタル型)

👉 「俺はすごい」アピールを前面に出すが、周囲にとっては押しつけがましく感じる。
🧗‍♂️ クライミング事例:

  • 「俺、あの◯◯(往年のクラシックルート)を登ったんだぜ!ヤバくね?すごくね?」
  • 「このルート、俺以外は誰も登れなかったからね!」
  • 「このグレードでノーフォールって、俺くらいしかできないんじゃない?」

⚠️ リスク:
✔︎ 本人はすごいと思ってアピールしているが、実際には「過去の基準で語っているだけ」で、現代のクライマーから見ると「?」となることがある。
✔︎ 過剰なアピールは、周囲に 「勘違いしてる人」 と思われる可能性がある。


2️⃣ 共有型(ストーリーテリング型)

👉 「すごさ」ではなく、「経験や学び」を伝えることで、共感を得るスタイル。
🧗‍♂️ クライミング事例:

  • 「このルート、登る前は不安だったけど、試行錯誤したら意外と突破できたんだよね。」
  • 「思ったより核心部のムーブが独特で、今までのクライミング経験が活かせたのが面白かった!」
  • 「このライン、普通のルートとはちょっと違う面白さがあって、考えながら登るのが楽しかったよ。」

✅ メリット:
✔︎ 経験をシェアすることで、周囲が興味を持ちやすくなる。
✔︎ 「登れたこと」よりも、「登る過程」への興味を引くため、より多くの人に価値が伝わる。
✔︎ すごさを押しつけないため、聞き手が「この人の話、もっと聞きたい」と思いやすい。


3️⃣ 貢献型(他者への影響を意識する型)

👉 「自分がすごい」ではなく、「この経験がどう役に立つか」を重視するスタイル。
🧗‍♂️ クライミング事例:

  • 「このルートのムーブ、他の人がトライするなら、ここを意識するとスムーズかも。」
  • 「登る途中で見えた景色がすごくて、山の静けさを改めて感じた。やっぱりクライミングっていいね!」
  • 「もしこのグレードに挑戦するなら、このルートがちょうどいい練習になるかも?」

✅ メリット:
✔︎ 自己アピールが「知識のシェア」や「コミュニティへの貢献」につながるため、好意的に受け取られやすい。
✔︎ 「この人の話は参考になる」と思われ、周囲からの評価が上がる。
✔︎ 結果的に、すごさをアピールしなくても、尊敬されるようになる。


🔍 まとめ:どのスタイルを選ぶべきか?


最終的に、クライマーとしての自己アピールは 「共有型」や「貢献型」 にシフトすると、周囲からの評価も上がり、結果的に「本当にすごいクライマー」として認識されるようになる。

「ジャイアンリサイタル型」から抜け出したいなら、


👉 「すごさを誇示する」のではなく、「何を伝えたいのか?」を意識して発信することが鍵! 🎯