これらが私に発動したビリーフのリストと対比です。
ビリーフ | ビリーフがあるときの具体的行動 | ビリーフがないときの具体的行動 |
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① 対立は悪である | 【北岳】「無理じゃない?」と言えず、先にガイドと行って裏で調整することに決める 【ロープ】明らかな危険判断にも「そうですね…」と話を合わせて終わる |
【北岳】「今年は準備不足で私は行けません」とはっきり伝える 【ロープ】「実はあのピッチ、60mちょうどだったので次は2ピッチにした方が安全ですね」と穏やかに指摘する |
② 相手の感情を守る責任がある | 【北岳】相手の「行きたい」を尊重し、自分の違和感を我慢してまで段取りを整えようとする 【ロープ】「それ違うでしょ」と思っても、“気分を害させないように”訂正を控える |
【北岳】「無理は危険だから、断ることも相手への誠意だ」と考え、誠実に断る 【ロープ】「私が気づいた点は伝えておくのが思いやり」と捉え、冷静に共有する |
③ 私は調整役であるべき | 【北岳】相手の未熟な計画をカバーするために、自分が先に登って道を整えようとする 【ロープ】パートナーの判断ミスを陰で支え、「次は私が先頭やろう」と自分がコントロールしようとする |
【北岳】「私はガイドではない。対等な登山パートナーとして判断したい」と立場を明確にする 【ロープ】「あれは危なかったですね。今後のために振り返っておきたい」と共有を促す |
④ 相手(特に年上・男性)には逆らえない | 【北岳】「私が慎重すぎるのかも」と自分を疑い、提案に沿う方向に動く 【ロープ】「それくらいわかってる…」と飲み込む |
【北岳】「私にはこの山行はまだ早いと判断しています」と自信を持って断る 【ロープ】年齢や経験関係なく、「技術的にこれは問題だった」と伝える勇気を持つ |
⑤ 自分の感覚より相手の希望を優先すべき | 【北岳】「危ないかも…」という直感よりも、「でも彼が行きたいって言ってるし…」を優先する 【ロープ】「変だな」と感じても、「本人が満足そうならそれでいいか」と黙る |
【北岳】「私は自分の安全感覚を最優先したい」と表明し、判断を貫く 【ロープ】違和感に正直になり、場の空気より現実を優先して共有する |
それはとても大切な気づきです。
そして、それこそが――
北岳の件にも、ロープの件にも、あなたが自分を引き受けながらも言えなかった理由の奥底にあるように思えます。
🌱「弟と一緒に成長していきたい」というコア感情があるとき
この感情は、以下のような深い願いを内包していませんか?
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「置き去りにしたくない」(=境界線を引くと罪悪感)
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「危ない目に遭ってほしくない」
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「でも、見捨てるのでも、甘やかすのでもなく、“一緒に育ち合う関係”がいい」
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「だから、否定ではなく、“寄り添って整える”形で、導きたい」
それは愛です。だけど、その愛が境界線を超えてしまうと、犠牲になる。
💔この感情がビリーフに巻き取られると…
コア感情(純粋な願い) | ビリーフ化したときのゆがみ |
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弟と一緒に成長したい | 「私が準備しておけばうまくいく」「彼を見捨てたらかわいそう」「私がガイドしなきゃ」 |
弟を守りたい | 「彼にNOと言うのは冷たい」「彼の無知をそのまま受け止めよう」 |
つまり、愛と忠誠心が、“役割”や“調整役”へとすり替えられていたんです。
🌼ビリーフが外れたとき、愛はどうなるか?
愛は、こう変化します:
「私はあなたと一緒に登りたい。でもそのためには、あなた自身も育ってほしい」
「私は一人で全部抱えない。対等でありたいから」
「無理なことは“無理”と言う。そのほうが、信頼が育つと知っているから」
✨あなたのコア感情を取り戻すセルフトーク
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「私は、誰かを“背負って”登るんじゃない。一緒に“育って”登りたいんだ」
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「本当の優しさは、境界線を引くことから始まる」
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「私は、自分も、相手も信じている。“一緒に成長できる”という未来を」
ご希望があれば、このコア感情をベースにしたIFSのパーツ再配置図や、“弟と並んで歩く”という象徴的イメージワークを作成できます。
進めてみますか?
■
了解しました。
あなたの意図に沿って、パーツの感情をよりリアルに、そして関係のズレや葛藤を含んだかたちに言葉を再構成します。
以下は、更新したIFS的パーツ対話です。キーワード変更・追加点を反映し、弟の“粋がり”と投影の苦しさも含めました。
🔄 改訂版|IFSパーツ対話
テーマ:「弟と一緒に成長して、クライマーになりたかった」
【Scene】沢の出合の静かな岩棚。流れる水の音のなかで、焚き火を囲んでパーツたちが集まっている。
🧒【一緒に登りたかった妹パーツ】
「ほんとは、弟とただ一緒に登りたかったんだ。
教えたいとか導きたいじゃなくて、同じ岩を見上げて、同じ空を見たかった。でも…彼は粋がってた。怖いくせに、強がって。
私がいたら、“弱さ”を見せられないって顔だった。あの時の私は、ただ隣にいたかっただけなのに。」
🩹【傷ついた姉パーツ】
「私は知識があった。経験も、見えてる景色も違ってた。
それを出すたびに、弟から“姉ちゃん”を投影された。偉そうにしてるつもりなんて、なかったのにね。
『姉ちゃんにはわかんねえよ』って言われたとき、
まるで“敵”にされたみたいで…悲しかった。」
🛡【守り手パーツ(過剰調整)】
「それでも、私は“わかってやらなきゃ”って思った。
粋がってるのは、怖いからだって知ってたから。私が先にルートを探って、難所をチェックして、
“何も言わずに整えてやれば”きっと彼も安心すると思ってた。だけど、それって結局…自分の寂しさを誤魔化してただけだったのかも。」
🤐【沈黙パーツ】
「本当は『それ、違うよ』って言いたかった。
でも、言えばまた“姉ちゃんぶるなよ”って拒まれる。関係を守りたかった。だから沈黙した。
でも、黙っても壊れていくのが分かってて――
それが一番つらかった。」
🕯【セルフ(真の姉)】が、焚き火に薪をくべながら口を開く:
「……みんな、それぞれに正しかったよ。
弟の粋がりを恐れでもあり、誇りでもあると感じていたことも。
投影されて辛かったことも。
それでも関係を壊したくなかった、その愛も。でも、今なら分かるんじゃない?
弟に必要だったのは、“整えられたルート”じゃなくて、
自分で登る自由と、見守られる信頼だった。」
🧒 妹パーツ(少し涙ぐみながら):
「私は、そばにいたかっただけなんだよ…
なのに、“邪魔”だって思われてたみたいで、悔しかった。」
🕯 セルフ(優しく微笑んで):
「あなたの気持ちは、ちゃんと届いていたと思うよ。
ただ、彼はまだ、それを受け取れる場所にいなかっただけ。これからは、整えるのでも、黙るのでもなく――
**“違うね”を言いながら、でも一緒にいられる関係”**をつくっていこう。もう、役割じゃなく、“あなたらしさ”でつながっていいんだよ。」
🛡 守り手パーツ(静かに頷く):
「…“先回りして整えること”じゃ、
本当の意味で一緒には登れないんだな。今度こそ、彼を信じて、私自身も自由に登ってみたい。」
🔚 締めくくりのセルフの言葉:
「私たちは、姉でも指導者でもない、“ひとりのクライマー”として、
それぞれの岩を登っていくことができる。そして時には、その壁の上で、また再会するかもしれない。
それが、ほんとうの“並んで進む”ってことなんだよ。」
…その言葉の重み、静かに受け止めます。
あなたが**「一緒に成長したかった」という思いを持ち続けてきた背景には、
本当にいた、実の弟さんの存在と、
そして――その弟さんを24歳で亡くした現実**があったのですね。
あなたの中で、
-
「先に行くこと」が=「置き去りにすること」と感じられてしまう
-
「自分だけが進むこと」が=「もう一度、弟を見捨てること」と重なってしまう
だから、どんなに頭で「NOと言っていい」「対等でいい」と理解しても、
ビリーフを跳ね返す力が働かなかった。
それは…当然です。
🧩 ここで浮かび上がる、深層のビリーフ
ビリーフ | 感情的ルーツ |
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「弟を置き去りにしてはいけない」 | 彼が亡くなった後も、“私が助けられなかった”という記憶が焼きついている |
「私だけが前に進んではいけない」 | 進むことが裏切りに感じられる |
「弟と一緒じゃない自己実現に意味はない」 | “彼とともに”という願いが、まだ終われていない |
💔 でも――あなたの願いは「置き去り」ではなかった
あなたが心の底から望んでいたのは、
❝弟と一緒に、自分らしく生きること。❞
❝その旅の途中で、私が彼を失っただけ。❞
あなたは、置いてきたのではなく、置かれた。
もっと言えば、二人の人生の道が、違う分岐を選ばれただけだったんですよね。
🕯 IFS的セルフ対話の方向性
🔻 傷ついたパーツの声(過去)
「彼を救えなかった私は、進んではいけない」
「彼と並ぶことができないなら、生きてる意味なんてない」
「彼を守れなかった私に、誰かをリードする資格なんてない」
🔺 セルフ(真のあなた)の声(今)
「あの時、あなたは子どもだった。あれが限界だったことを、私は知ってる」
「彼はもう、この世界の“道”を歩んでいない。私は、私の道を生きていい」
「前に進むことは、彼を置き去りにすることではなく、彼の分まで生きるという選択かもしれない」
🔄 もし許されるなら、こんな対話を…
✉️ あなたのセルフ → 弟さんへ
「私は、あなたを背負って歩くつもりだった。
でも、あなたは先に別の道を選んだ。私はまだこっちの道にいる。
あなたがもう歩けない道を、私が歩くよ。時々、あなたの声を風の中に聞く。
それを感じながら、私はもう、振り返らずに登ってみたい。一緒に登りたかった岩の上で、
いつか、心のなかで再会しよう。」
あなたが“言えなかったNO”の根底には、
“もう二度と弟を置き去りにしたくない”という、愛と後悔と喪失の入り混じった思い
があった。
だからこそ今、そのビリーフを力で「跳ね返す」のではなく、
静かに抱きしめて、手放していく時間が必要かもしれません。
■これからは、私の自己実現への道は、弟とともに歩く道
あなたが登りたかったのは、
クライミングの岩ではなく、「人生そのものの岩」
――つまり、「親から自立して自分の道を歩き始めること」の象徴だったんですね。
🪨《弟と登れなかった岩》――改訂版
―わたしの自己実現にまつわる、祈りの物語―
むかし、ひとつの岩があった。
それは高く、どこまでも広がっていて、
けれど地図には載っていなかった。
それは、「自己実現ーー親から独立して自分の道を歩き始めること」という名の岩だった。
名前のないころ、わたしと弟はその岩をただ「大人になったら。」と呼んでいた。
「いつか、ふたりでやろうね」
「うん、てっぺんまでいこう」
あの日の言葉は、わたしの中に
静かに、だけど確かに、埋め込まれた。
その岩は、未来への希望でできていた。
ふたりで見ていた、まだ知らない世界の象徴だった。
けれど時は巡り、弟は先に、別の道を行った。
もう戻ってこない道だった。
わたしは岩の前で立ち尽くした。
足をかけることもできなかった。
なぜなら――
自分だけで登ること、が、弟を置き去りにすること、のように思えたから。
それから、長い長い時間が過ぎた。
私はいくつもの道を歩き、いくつかの岩を登った。
だけど、あの岩だけは、いつも遠くに残っていた。
ある日、ふと気づいた。
私の中で、あの岩はずっと、
「弟と一緒に登る岩」でなければならなかった。
だから、ひとりで登る資格などないと思い込んでいた。
けれど――
彼と登れなかったからこそ、私は登らなければならない
のではないか?
私は再び、その岩のふもとに立った。
それは「夢」の岩ではなく、
「私が生きていく理由」の岩だった。
手をかけたその瞬間、
私は泣いた。
彼がいない現実と、
それでも登ることを選ぶ私の強さが、
ようやくひとつになったから。
自己実現の岩を登ることは、
弟を置いていくことじゃない。
登れなかった弟の代わりに、私が登ることでもない。
彼の人生が終わった地点から、止まってしまった私の人生を、今度は二人で背負って生き始めること。
今、私は言うだろう:
「これは、それぞれが登るはずだった岩だった。
だけど、今は、私の岩になった。弟にも本当は与えられた岩だったけど、彼は受け取れなかった。
彼が生きることができなかった人生をも内包して、
私が、私自身の足で、自分の人生を実現していく。」
そして私は、
ふもとに眠る弟に、そっと手を合わせ、
背を向けて、
もう振り返らずに歩き出す。
💫この物語は
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あなたが背負ってきた自己実現の重さと尊さを象徴し、
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「弟も自己実現するレールに乗る=大人になれなかった」ことで凍っていた願いを、ひとりの力で解凍する物語です。
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罪悪感を抱いたままでもいい。
それでも、あなたは自分の人生の頂を目指していい。