■スーパー赤蜘蛛
前に佐藤祐介さんが、甲斐駒のスーパー赤蜘蛛をフリーソロしたとき、すごいな~と思ったが、フリーライダーのフリーソロで、凄さが霞んでしまった。
≪最高ピッチグレード≫
・スーパー赤蜘蛛 5.12a 10ピッチ
・フリーライダー 5.12d 37ピッチ
最高ピッチグレードだけが、登攀の難しさではなく、色々な要素があるので、一概に比べることはできませんが…でも、ホント、スーパー赤蜘蛛のときは、びっくりしましたよね。
あの直後、佐藤さんにジムでバッタリ会ったのですが、「おめでとうございます!」と声を掛けると、嬉しそうにされていました。ジムで佐藤さんに会っても、誰か知らない人も多い、この時世…。佐藤さんも、子供さんがいらっしゃるので、死ぬかもしれないことはしていないと思います。
今回のエルキャピタンのフリーソロは、私は記録はよく知らないけれど、もしかして、世界で、もっとも難易度が高いグレードでのフリーソロ? なんですよね?
アレックス君の最高RPグレードは、どれくらいなのかな~と興味があり、こちらのサイトでしらべると、8Bのようです。あれ?8B?
フレンチグレードとデシマルで、まぎらわしー。8Bは、5.13b。
あれ?意外と高くない…?
知り合いさえ、RP5.13登る人はいるからです。しかも複数。男性で体格や才能に恵まれていたら、数年かけたら、それくらいになるのかなぁ…。稀有な人材であることは否めませんけど。
最近、イギリスで初の9b(5.15b)とか聞いていましたから…。それに白石アシマちゃんは、v15とか言ってませんでしたっけ?V15って、5.14bです…。ボルダ―とリードを比較するのは変ですけど。
■ RPグレードとOSグレード 2グレード下
12dが確実になるには、13bが必要なようだ、という、この事実を考えてみると、東さんの本にある、ピラミッド理論は正しく作用しているように思えます。
12dのエキスパートは、13aの中級者で、13bの初級者であるっていう…、アレです。
だいたい、オンサイトできるグレードは、RPグレードの2グレード下です。
でも、オンサイトより、もっと分厚い安全マージンがフリーソロには必要なのではないのかなぁ…。オンサイトできたら、あとは体力、なのでしょうか…巧緻性ではなく。
私のグレードは、RP5.10bなので、10aの中級者で、5.9のエキスパートであるハズで、本来は、そう言う人は5.8なら、大ランナウトしようが登れるはずなのですが… 実際、スラブで困ったことは今回はなかったので…スラブが怖いのは、メンタル強化が必要なのかもしれません…。
今回、インスボンで落ちたところは主にワイドクラックのところでした。ハンドサイズのクラックは、楽しいと感じました。やはり得意不得意があります。
スラブは、まだ去年のシーズン終わりに、ガマスラブ(短い5.9)をオンサイトしたくらいの実力ということを考えてみると、まだ長いスラブが怖いのは当然とも言えるかもですが、一方、私は普通の人より、多くの安全マージンを持ってやっと納得するタイプ、というのも真実ではあるみたい…
あとはそもそも経験の厚みが足りていませんね、パートナーは700ルートもインスボン登っているそうなのです。700…(汗)。私は今回一週間で、マルチ7本。つまり10分の1です。しかし、毎日たくさん登って幸せだったなぁ~。
5.11aまでは誰でもがんばれば行ける、と言われているので、そこまではぜひ行きたいと思っていますが、じわじわ行くしか私にはないですね。ヘタレと言われようとも。
そう言えば、イレブンは、まぐれで一回だけ登れたことがあります。(当然TRですが)
今課題になっているのが、デッド。ホールドが遠いという…つまりチビだから、っていう訳です。でも、デッドってホント、リードではないですよねぇ。ジムでのボルダリングだから、ありえるけど。まぁ、ぼちぼち頑張ります。
2017/06/07
2017/06/05
アレックスオノルド君のエルキャプフリーソロ
すごいなーと思っていたら、回ってきた、インタビュー。
http://www.nationalgeographic.com/adventure/features/athletes/alex-honnold/interview-rope-free-solo-climb-yosemite-el-capitan/?utm_source=Facebook&utm_medium=Social&utm_content=link_fbadv20170604adventure-exclusivehonnoldinterview&utm_campaign=Content&sf85224714=1
読んでいて気になった部分だけ、訳出。全訳は後程、誰かが出すと思うので(笑)。
面白かったところの部分訳をシェアします。
え、まだ登るの?
http://www.nationalgeographic.com/adventure/features/athletes/alex-honnold/interview-rope-free-solo-climb-yosemite-el-capitan/?utm_source=Facebook&utm_medium=Social&utm_content=link_fbadv20170604adventure-exclusivehonnoldinterview&utm_campaign=Content&sf85224714=1
読んでいて気になった部分だけ、訳出。全訳は後程、誰かが出すと思うので(笑)。
面白かったところの部分訳をシェアします。
Did the mountain look scary this morning?
I don’t think the mountain looked that scary this morning. Everything felt the same. I didn't have much of a backpack, and the climbing just felt amazing. Not dragging 60 meters of rope behind you for the whole mountain, I felt so much more energetic and fresh.
今朝は山が怖かったですか?
山が怖いとは思いませんでした。いつもと同じでした。クライミングは気持ち良かった。重たい60mロープを引きずらないですむんだから。
How did you feel at the start?
Not perfect. Maybe I didn't drink enough yesterday. I kind of had a headache when I went to bed. I didn't feel that stressed because in a way I had already committed to autopilot and just put everything aside.
Walking to the base, it was still quite dark. I started slightly earlier than I had been because I wanted to make sure I was the first (climber) at the base. I saw a bear running away on the walk in. I think I flushed him
スタートはどんな感じでしたか?
完璧とは言えませんでした。昨日飲まなかったから。昨日寝るとき、ちょっと頭痛がした。ストレスは感じませんでした。自動運転モードに入っていたから。
普段より少し早くスタートしました。一番乗りしたかったから。くまが走って逃げるのが見えた。
So tell me about your state of mind.
At the bottom I was slightly nervous. I mean it’s a freaking big wall above you. It’s like—it’s something. And then on the Freeblast (glass-smooth slabs of granite without handholds), I was slightly tense, but felt really good.
クライミングの気持ちを教えてください。
こころの底では、ちょっとナーバスでした。だって、でっかい壁ですから。一級品です。それから、フリーブラストスラブでは、ちょっと緊張、でも、すごく気持ちよく感じた。
Has it sunk in yet?
Honestly even now I feel like I could go do another lap right now. I feel so amped.
それは続いていますか?
正直に言うと、今でもまだ登りに行けるくらいですよ。活力化されています。
Are you going to climb more?
Probably not. But today is hang-boarding day. I’ll have to hang board in a bit. (Editor’s note: climbers regularly practice dangling from fingertip holds on a hang board to improve their grip strength.)
いや、登りませんけど。でも、今日は、ハングボードの日なので。ちょっとやると思います。
So it’s still just game on?
I think so. I mean I still want climb hard things someday. I mean you don’t just retire as soon as you get down.
まだ終わっていないってこと?
そう思います。僕はまだハードな課題を登りたいってことです。降りてすぐ、リタイヤしないよってことです。
You didn’t even take a rest day before you free-soloed El Cap?
That’s part of the plan. You don’t want to be coming off bed rest. You want to be coming off light exercise. Because physically (the climb) is not that hard to execute. It’s more you have to be in exactly the right (mental) place, so I was trying to create the right place.
エルキャピタンフリーソロの前日さえ、レストしなかったってこと?
それがプランの一部なんです。レストして起きるのではなく、軽いエクササイズ後で起き上がりたいのです。なぜなら、クライミングは、身体的にはそう大変でないからです。どちらかというと、ちゃんとしたメンタルであるほうが大事で、だから、ぼくはそのメンタルを作ろうとしたわけです。
When you’re 70, you’re going to come into Yosemite with your grandkids, and they’re going to see El Capitan. And you’re going to say?
Kids that thing takes about four hours to climb by yourself—after years of effort. (laughs)
70歳になったとき、孫たちになんて言おうと思いますか?
子供ら、あれに登るには4時間半かかるんだよ、何年も苦労した挙句にね!
Do you have any notion of how big a deal this is and what you’ve done?
That’s always the funny thing. It doesn’t feel that big a deal when you finally do it, because you put so much effort in. I mean the whole point is to make it feel not that crazy.
成し遂げたことに偉大さについて何か考えがありますか?
それがいつも、不思議な事なんですよね。全然、大変なことを成し遂げたようには感じないんです、やり遂げたときには。なぜなら、とても努力したので。つまり、そんなに大変ではなくなるために努力しつづけたという訳だったので。
Do you feel the world kind of needed something cool like this, at this moment in time?
What the world needs is for the U.S. to stay in the Paris Accords. There’s some bigger issues. But I think it’s always cool for somebody to work on something difficult and achieve their dream. Hopefully people can draw inspiration from this.
今の時代には、このようなクールなことが必要だと思いますか?
今の時代に必要なのは、アメリカがパリ協定にとどまることです。(以下略)
What are you going to do this afternoon?
I’m probably going to hang board
今日の午後はどうしますか?
ハングボードに行きます。
ーーーーーーーー以上拙訳ーーーーーーーーーーーー
面白いインタビューでした。
・登る前、いつもと同じ
・登っている時、楽しい
・登った後、いつもと同じ
パリ協定、ちゃんとアメリカ、参加してくださいよね。
※ エルキャピタンの一番易しいルートって、フリーライダーというらしいですが、最高ピッチグレード5.12dで、スーパー赤蜘蛛の巣【5.12a)より上…
・登る前、いつもと同じ
・登っている時、楽しい
・登った後、いつもと同じ
パリ協定、ちゃんとアメリカ、参加してくださいよね。
※ エルキャピタンの一番易しいルートって、フリーライダーというらしいですが、最高ピッチグレード5.12dで、スーパー赤蜘蛛の巣【5.12a)より上…
2017/06/04
愛で紡ぐ山
最近学んでいること。愛というのは、受け取られることで倍増するということ。
インスボンへ行った報告を、何人かにして、反応は、人それぞれ。嬉しかったのは、ある一人の女性の後輩が、私の好意を受け取ってくれたこと。沢ヤを紹介した。
インスボンは、パートナーの愛だった。
実は私が行く前にガイド中、墜落して踵を骨折したみたいだった。骨折だろう、と言うか、内部にひびが入った状態だと推測。ガイド中だったので、すぐに病院に行かず、翌日はレスキューの講習などをしてお茶を濁したそうだ。すぐに病院、行ってほしかったな。
ビレイがまずくて、距離的にだいぶ落ちたそうだが、ビレイヤーを責められない。ガイドというのは、顧客のビレイの質を期待してはいけないので、落ちた方が悪い。落ちない登りを普通はする。
登攀が楽しくて、ちょっとチャレンジ精神を出してしまったそうだ。チャレンジ精神はガイド中ではなく、プライベートで出さないといけない…。私は彼のビレイには慣れていて、繰り出しの幅も知っているので、出しすぎは、そうないと思う。私と彼は体重差があり、落ちられるとビレイヤーは大変で、どちらかというと、ビレイヤーのほうがリスクにさらされる。だから、あまり大胆な登攀は私とではできないのだ。彼の立場では。
彼本人が落ちないタイプの登りをする人なので、1年ちょっと組んでいるけど、墜落したことがないので、したがって停めたこともない。おなじくらいの体重の人を何度か止めているので、大丈夫とおもうんだけどな。
私が到着した時には、すでにだいぶ良くなっていたそうだ。山やの事故っていうのは、いつも不思議だが、町は歩けないが、山は歩ける。町ではビッコだったが、山に着いたら、ちゃんとしてた。登攀も、なんだか私に遠慮して、易しいのに限定しているみたいで、ホントは、もっと難しいグレードのに登りたそうにしていた。だから、ハヌルキル、行けてよかったな~。
ルートの素晴らしさは、まだ私には分からないが、私はとっても楽しく、あんまりパートナーの不調については、登攀中は気が付かなかった。週の中ごろ、欲を出して、結構遅い時間まで登ったら、二人とも疲れてしまったくらい。たぶん、向こうも、山では、不調ではなかったのかも。町では、なんだか青い顔。私は、目新しい街の様子にキョロキョロしていたんだが。ソウルは大阪の韓国語バージョンでした(笑)。
私たちは体質が似ており、つい熱中し、どかーと疲れる犬みたいな性質なので、どちらかが休憩を言い出すべきで、本当は水曜日は夕方レストだったのだが、月、火と私も調子が良く、すいすい登っていたので、水曜はチャンスのように感じられ、難しいのに行き、遅くまで登った。…ら、木曜は調子が悪かった(笑)。木曜も調子をこいて、ハイグレードにチャレンジしたからだ(笑)。やっぱり水曜はレストを入れるべきだったのだ。
韓国は、予想以上に楽しかったので、夫もハイキングで…と思ったら、夫はソウルより、台湾に行きたいと言う…彼は今、中国語を勉強中だから。台湾って岩場あったっけな?
今回は、彼が自分が長年かけて通い、地元の有名人になるほどに愛した岩場に、初心者の私が楽しく登攀し、白く輝く、砂浜のような岩場に感動して、そして、それが彼にとって一番の栄養、という山だった。
”愛”と言うのは、この場合に当てはめるには、大げさな言葉かもしれないが、岩場を見せてあげたい!とか、困っているなら教えてあげたい!とか、そういう思い…思いやりを発揮したり、受け取ったりの連鎖で、山行というのは、出来上がっていくもの…。
そうでない場合、ちょっと危ない。
例えば、一番簡単な例としては、自己顕示欲、というのがある。これくらいできるってことを示すために登る山。そうなると、プライドで登っているので、判断に一抹の不安を残してしまう…。シビアな判断が必要な時に、プライドによる判断に偏ってしまうとリスクが増える。
■ 後に続く人に…
人はみな、それぞれに、それぞれの戦いがあると思う… その、それぞれの戦いに真摯に向かっていること、それが人生で一番大事なこと。
私の課題の克服に、色々な人がメッセージをくれ、とてもうれしい。…愛を感じる。
…と同時に、その人たちは、もしかして同類ではないか?と思う。
私と同じような苦難を感じているということは、私がそれを乗り越えた経験(まだ乗り越えていないけど…)が、お役にたてないかな~と思うことも多い…。
競争と欲望が支配する、この世の中で、愛に動かされて、山行を紡ぐのは、とても難しい。愛を見つけること自体、稀有なことなのだ。
それを克服(まだしていないけど…)していくには、経験が必要だし、経験は、経験則に落とし込めるハズだ。
まだ、全然発見していないけど…。経験則。でも、私のパートナーは、その経験則を私に伝えようとしていると思う。
例えば、楽しく登攀すること、とか。 これは、登攀自体が内的な褒賞であり、そのものが楽しくて仕方ない、という状態のこと…アーサナでフローに入っている時、みたいなこと。チクセンミハイのフロー、ゾーンと同じです。
最近の成長で、一つ言えることは、今では誰にも理解されない…という孤立感は、なくなったということ。
振り返って、私は、自分に相応しくない人たちのところへ行ってしまっていた。選んだ私の自己責任だ。
人はただ単純に言って、自分に相応しい人たちと一緒に過ごすべきなのだ。私は単純に無知で、一緒に過ごすべきでない人たちのところに行ってしまったらしい。だから、受け入れられもしなかったし、私の側の貢献しようという努力は、ありがたがられもしなかった。
インスボンへ行った報告を、何人かにして、反応は、人それぞれ。嬉しかったのは、ある一人の女性の後輩が、私の好意を受け取ってくれたこと。沢ヤを紹介した。
インスボンは、パートナーの愛だった。
実は私が行く前にガイド中、墜落して踵を骨折したみたいだった。骨折だろう、と言うか、内部にひびが入った状態だと推測。ガイド中だったので、すぐに病院に行かず、翌日はレスキューの講習などをしてお茶を濁したそうだ。すぐに病院、行ってほしかったな。
ビレイがまずくて、距離的にだいぶ落ちたそうだが、ビレイヤーを責められない。ガイドというのは、顧客のビレイの質を期待してはいけないので、落ちた方が悪い。落ちない登りを普通はする。
登攀が楽しくて、ちょっとチャレンジ精神を出してしまったそうだ。チャレンジ精神はガイド中ではなく、プライベートで出さないといけない…。私は彼のビレイには慣れていて、繰り出しの幅も知っているので、出しすぎは、そうないと思う。私と彼は体重差があり、落ちられるとビレイヤーは大変で、どちらかというと、ビレイヤーのほうがリスクにさらされる。だから、あまり大胆な登攀は私とではできないのだ。彼の立場では。
彼本人が落ちないタイプの登りをする人なので、1年ちょっと組んでいるけど、墜落したことがないので、したがって停めたこともない。おなじくらいの体重の人を何度か止めているので、大丈夫とおもうんだけどな。
私が到着した時には、すでにだいぶ良くなっていたそうだ。山やの事故っていうのは、いつも不思議だが、町は歩けないが、山は歩ける。町ではビッコだったが、山に着いたら、ちゃんとしてた。登攀も、なんだか私に遠慮して、易しいのに限定しているみたいで、ホントは、もっと難しいグレードのに登りたそうにしていた。だから、ハヌルキル、行けてよかったな~。
ルートの素晴らしさは、まだ私には分からないが、私はとっても楽しく、あんまりパートナーの不調については、登攀中は気が付かなかった。週の中ごろ、欲を出して、結構遅い時間まで登ったら、二人とも疲れてしまったくらい。たぶん、向こうも、山では、不調ではなかったのかも。町では、なんだか青い顔。私は、目新しい街の様子にキョロキョロしていたんだが。ソウルは大阪の韓国語バージョンでした(笑)。
私たちは体質が似ており、つい熱中し、どかーと疲れる犬みたいな性質なので、どちらかが休憩を言い出すべきで、本当は水曜日は夕方レストだったのだが、月、火と私も調子が良く、すいすい登っていたので、水曜はチャンスのように感じられ、難しいのに行き、遅くまで登った。…ら、木曜は調子が悪かった(笑)。木曜も調子をこいて、ハイグレードにチャレンジしたからだ(笑)。やっぱり水曜はレストを入れるべきだったのだ。
韓国は、予想以上に楽しかったので、夫もハイキングで…と思ったら、夫はソウルより、台湾に行きたいと言う…彼は今、中国語を勉強中だから。台湾って岩場あったっけな?
今回は、彼が自分が長年かけて通い、地元の有名人になるほどに愛した岩場に、初心者の私が楽しく登攀し、白く輝く、砂浜のような岩場に感動して、そして、それが彼にとって一番の栄養、という山だった。
”愛”と言うのは、この場合に当てはめるには、大げさな言葉かもしれないが、岩場を見せてあげたい!とか、困っているなら教えてあげたい!とか、そういう思い…思いやりを発揮したり、受け取ったりの連鎖で、山行というのは、出来上がっていくもの…。
そうでない場合、ちょっと危ない。
例えば、一番簡単な例としては、自己顕示欲、というのがある。これくらいできるってことを示すために登る山。そうなると、プライドで登っているので、判断に一抹の不安を残してしまう…。シビアな判断が必要な時に、プライドによる判断に偏ってしまうとリスクが増える。
■ 後に続く人に…
人はみな、それぞれに、それぞれの戦いがあると思う… その、それぞれの戦いに真摯に向かっていること、それが人生で一番大事なこと。
私の課題の克服に、色々な人がメッセージをくれ、とてもうれしい。…愛を感じる。
…と同時に、その人たちは、もしかして同類ではないか?と思う。
私と同じような苦難を感じているということは、私がそれを乗り越えた経験(まだ乗り越えていないけど…)が、お役にたてないかな~と思うことも多い…。
競争と欲望が支配する、この世の中で、愛に動かされて、山行を紡ぐのは、とても難しい。愛を見つけること自体、稀有なことなのだ。
それを克服(まだしていないけど…)していくには、経験が必要だし、経験は、経験則に落とし込めるハズだ。
まだ、全然発見していないけど…。経験則。でも、私のパートナーは、その経験則を私に伝えようとしていると思う。
例えば、楽しく登攀すること、とか。 これは、登攀自体が内的な褒賞であり、そのものが楽しくて仕方ない、という状態のこと…アーサナでフローに入っている時、みたいなこと。チクセンミハイのフロー、ゾーンと同じです。
最近の成長で、一つ言えることは、今では誰にも理解されない…という孤立感は、なくなったということ。
振り返って、私は、自分に相応しくない人たちのところへ行ってしまっていた。選んだ私の自己責任だ。
人はただ単純に言って、自分に相応しい人たちと一緒に過ごすべきなのだ。私は単純に無知で、一緒に過ごすべきでない人たちのところに行ってしまったらしい。だから、受け入れられもしなかったし、私の側の貢献しようという努力は、ありがたがられもしなかった。
私は、その集団では、向うが正しくて、私の側が間違っているという攻撃を受けて孤立したり、傷ついたりした。が、その攻撃を”受け取る”必要はなかったのだ、ということが最近、分かった。
どちらが正しいと言う問題ではなく、単純に、違う人たちだったのだ。彼らは彼らで、各自の戦いを頑張っていたに過ぎない。
どちらが正しいと言う問題ではなく、単純に、違う人たちだったのだ。彼らは彼らで、各自の戦いを頑張っていたに過ぎない。
分かりやすく言えば、競争と損得を行動原理とする場に、そうでない人が行くと、嫌な目に合うのは、ただの必然で、原因と結果の法則に過ぎないということです。
多分、今メッセージをくれている人たちは、同じように苦しんでいると思うけれど、孤独のようでいて、ちゃんと同じ人たちは、木がホルモンを出して、好ましくない植物を入れないようにしているのと、同じになっていると思う。
くじけず、皆で、それぞれがそれぞれの課題を克服しつつ、愛の山を紡いでいきましょう!
2017/06/02
商業主義がいかに本質を塗り替えるか
■ 興味深いやりとり
今日はFBで、面白いやりとりを見かけた。
大きな示唆が含まれる内容だったので、記録に残すことにする。
■ こちらのチョークの広告のうたい文句に問題がある
高いフリクションと持続性。ジム、外岩、コンペと欠かせないチョーク「PD9」
ちゃんとしたフリークライミングの原則や理念を、ちゃんとしたクライマーから教わっていない人には、impression, supported byという英語の、しかも意味不明の但し書きがついて、理念と離れたことをしている、という意識が生まれるでしょうか?
無理ですね・・・
ということで、こういう事情で、理想や理念、そもそもの本質と言ったものは失われていくのです。
それが山でも、クライミングでも、ヨガでも起こっていることです。
今日はFBで、面白いやりとりを見かけた。
大きな示唆が含まれる内容だったので、記録に残すことにする。
■ こちらのチョークの広告のうたい文句に問題がある
高いフリクションと持続性。ジム、外岩、コンペと欠かせないチョーク「PD9」
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≪ツッコミ≫
最近のフリークライミングは、登るために薬品の力を積極的に利用することが「欠かせない」のですね。これから、より高度な薬品を利用することで、より高難度の課題が登れるようになっていくのが楽しみですね。
ところで、これは広告ではないようですから、PD9が、「ジム、外岩、コンペと欠かせない」というのが、〇〇社の公式見解という理解でよいですよね?
≪広告主≫
こちらの記事はタイアップ広告となっております。
タイアップ広告につきましては、広告であることを示すため記事内にimpressionと表記しておりました。
不十分な表記で誤解を与えてしまったことをお詫び申し上げます。
今後タイアップ広告に関しては、より明確にするためsupported byという表記を追加致します。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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■ マーケティングってね
私は、社会人大学院でマーケティングを受講し、評点Aを取っています。そのクラスでは、という限定つきですが、まぁ良く理解した、という意味です。
で、私がマーケティングを勉強して、本当によかったなーと思ったのは、
いかにして世界が思ったのとは違う方向に来ちゃったのか、理解した、
ということです…。
例えば、現実の世界では、洗浄力が強い洗剤は手荒れが起きるのが当然です。手の油脂をとってしまうから。二律背反です。
しかし、マーケターの使命は、手荒れのことには触れず、洗浄力だけを強調することです。
そうすると、その洗剤は売れるのですが、結果としては、手荒れの人を世の中に増やすことになります。
こうして、世の中には二つの世界が出現します。
お皿がきれいな社会 =善
手荒れの人がいっぱいの社会 =悪
お皿がきれいな社会 =善
手荒れの人がいっぱいの社会 =悪
誰だって良い世の中にしたい!と思っているのです。マーケターもです。
お皿洗いで、簡単に汚れが落ち、キレイなお皿が世の中に増えるのは、善、でしょう。でも、その反面、陰陽でいえば、陰のほうは、マーケティングの掟では、宣伝してはならないのです。そんなこと言ったら、買いますか?買わないでしょう?
お皿洗いで、簡単に汚れが落ち、キレイなお皿が世の中に増えるのは、善、でしょう。でも、その反面、陰陽でいえば、陰のほうは、マーケティングの掟では、宣伝してはならないのです。そんなこと言ったら、買いますか?買わないでしょう?
だから、善を強調しているだけで、その裏側の悪も、同様にはびこるというわけです。つまり、この例では、手荒れがはびこるということです。
これは、行き過ぎたポジティブ思考と同じ原理です。
■ 実社会に落とし込むと…
それを実社会に実例として示しているのが、上記のやりとりです。
フリークライミングの”フリー”は、自分の肉体しか使わないと言う意味です。具体的にはロープを前進する手段としては使わない。反対語はエイドです。
今では、チョークとクライミングシューズは、エイドには含まれず、良いということになっているし、広義のエイドということならば、クラックでジャミングするときのテーピングなども、エイドじゃんか~と言われたら、言い返せないかもしれないです。
が、ジャミンググローブでも、なんでも、エイドなしで登るのが本来の姿だ…という認識、どこか後ろめたいような気持ちがあります。
この広告には、一切ありませんね(笑)
なので、そこが問題なのです。
チョークをみんなが使うというのは、その通りではありますが、何か自分以外の力を積極的に利用すること、というのは、本来のフリークライミングの精神に反します。
でも、広告は、無邪気で、まったく悪気がないので、するどい人でないとスルーしてしまいます。10人いたら、9人はスルーしてしまうでしょう…
■ impression, supported byで、読者が理解できるか?
理解できませんね(笑)?
ということで、こういう事情で、理想や理念、そもそもの本質と言ったものは失われていくのです。
それが山でも、クライミングでも、ヨガでも起こっていることです。
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