■今日のワーク
片頭痛がする。その片頭痛に聞く。
「片頭痛さんがもし喋れるとしたら、何を感じているの」
片頭痛さん:「危険だ」
「何がキケンなの?」
片頭痛さん:「ママみたいになっちゃう」
「どこがママみたいなの?」
「被害者のところが…」
「どうして被害者なの?」
「だって、ママは子供たちのこと見ていない」
「すると、どういうことが起きそうなの?」
「すると私たち子供は、みんな、かわいそうな子っていうことになっちゃう」
「なぜ、かわいそうな子になっちゃうのが嫌なの?」
「だって、愛されていなくてかわいそうって意味になっちゃう」
「もしかして、私たちは、愛されていない子供だったの?それはイヤ!!」
「なぜ嫌なの?」
「親から愛されていないと生きていけないから」
「でも、今は親から愛されなくても生きていけるよね?」
「うん、そうだけど…」
「じゃ、自分の中に愛着基地を持つっていう考えについては、どう思う?」
「いいと思う」
「自分のどんなところが使えると思う?」
「コツコツ努力を積み上げることができる子で、我慢強く達成するまで頑張れる。 何が大事で何が大事でないか、分かっている。人の心に土足で踏み込むようなことは絶対にしない。入るべき時とそうでないときを区別できる。 私はBigHeartな人なところ」
「この感覚はどこから来ているの?」
「親にもらった。」
「そう、そうしたら親はあなたを愛してくれていたんじゃないのかな?」
「うん、そう。後でいそがしくなって、愛してもらえなくなったの」
「そのとき、あなたはどうしたの?」
「がまんした」
「なぜがまんしたの?」
「弟と妹がいたから」
「なぜ、弟と妹がいると我慢しないといけないの?」
「弟と妹の方にもっと親の愛が必要だったから」
「弟と妹に譲ってあげたのね?」
「そう」
「どうして譲ってあげたの?」
「弟と妹を大事にするのがお姉ちゃんだから」
「弟と妹が大好きなお姉さんだったんだね」
「そうです。私は弟と妹をとても大事にしている子供でした」
「今大人になって、その時の子になんと声をかけてあげたいですか?」
「おねえちゃんでも、甘えてもいいんだよ、抱っこされていいんだよと言ってあげたいです」
「その子は、今どうしてもらいたがっていますか?」
「弟と妹から、ありがとう、お姉ちゃんと言われたがっていると思います」
「第三者がいるとしたら、どうしてあげたいですか?」
「弟と妹、そして、幼い私を養育する大人を送ってあげたいです」
「実際には、それは、あなたが担った役目ですよね」
「はい。その時はそれ以外に仕方がありませんでした」
「今は、そのような危機的状況にないことが分かりますか?」
「はい、分かります」
「なのになぜクライミングになると、過剰に反応してしまうのでしょうか?」
「それは、”俺らと違って師匠がいるんだろ、ならお前が俺たちに教える役だからな”と脅迫されているように感じるからです」
「それは誰の声ですか?」
「弟と妹」「それに、あなたはできる子だから、と親が言っていました」
「あなたはクライミングで出来る子、ですか?」
「ちがうとおもいます。ただ、ふつうのひとよりも、良い指導を受けてきたと思います」
「その良い指導とはどのようなものですか?」
「山岳総合センターに行ったり、岩講習に出たり、ジムで学んだり、吉田講習に出たりです」
「それらはすべて、無料ですか?」
「違います。自分でお金を払って出ました」
「なのに、なぜ、他の人もそうすべきだと思わないのですか?」
「クライマーが貧乏だとみながいっているからです」
「クライマーが貧乏なのは本当ですか?」
「人に寄ります。貧乏な人もいればそうではない人もいます」
「ならば、なぜ過剰に寄り添ってしまうのですか?」
「… かつて、私も貧乏で苦しいときに人に助けられたからです」
「それは、あなたの命を懸けるほどの好意でしたか?」
「違うと思います」
「ならば、なぜ、あなたの命を差し出してしまうような厚遇をクライマーにしてしまうのですか?」
「… 自分が登りたいから」
「ほかの人も登りたいから、双方に利益があるのでは?」
「… そうなるはずなのですが、技術がない人と組む羽目になってしまいます。自分にも技術的に未熟な時代があったから、と思っているような気がします」
「たしかに誰でも技術的に未熟な時代を通ります。それは普通のことですよね」
「はい」
「あたながそのような段階にあった時、周囲の人はどのような対応をしていましたか?」
「先輩が二人以上ついて、ビレイを見守っていました」
「ならば、あなたもそうすべきでは?」
「そうなんです!いつもそうしようとしているのに…」
「そうならないんですね」
「そうなんです」
「それはなぜですか?」
「いつも1対1で組もうとする人ばかりだからです」
「1対1で組もうとする人は、もしかして、他に誰もいない人ではないでしょうか?」
「たしかに。そうかもしれません。」
「何か対策は思いつきましたか?」
「はい。奥村さんのKoWallでは、ビレイのチェックがあります」
以上で、対話を終わります。