2017/08/13

限られたパイ幻想

■ 教える?教えない?

今日もちょっくら、エクササイズで、近所のジムに行ってきました。腕をイジメておかなくては!

今日は、なんだか、ちょっと嫌なことがありました。

一人で登っていたら、若い男子のグループの一人が、「これどうやったらいいんですか?」と聞いて来たのです。

それで、「二手目が取れたら、あとは簡単だったよ」とあまり教えているとは、言えないような返事をしたのですが…

「うちのジムは教えない方針なんです!教えないでください」

「ジムのムードを壊さないで」

と店の人がすごい剣幕で文句を言ってきて、ムードが大幅ダウン。

ムードを壊しているのは、ジムの人のほうでした。

最初から喧嘩越しでしたしね~

「こんにちわ~ お天気いいですね~」 ⇒ ガン無視 & ラジオのボリュームを上げる
「課題のシート、切れていますよ」 ⇒ 「毎回あげなくてはいけないんですか?」

普通、課題シートが切れていたら、「ホントですね~教えてくれてありがとうございます」ってのがノーマルな対応でしょう。

■ 上手な人がそうでない人に教えるのは普通

私は前のホームジムでのピラニアでも、私が登れないのを登れる人が、登って見せてくれる、教えくれるというのは、ごく普通のことでした。そうやって成長してきたのです。

クライミングジムは、そうでなくても、内輪のノリで固まっている人が多く、慣れていない人には、いや~な空気が流れています。疎外感というのですかね。

で、友達ができる、というのがジムでは一般に大事なことです。大体同じくらい登れる友達がいると、居心地がよくなります。

私は、どちらかというと、元々、できたら一人になりたいタイプで、誰もいない人工壁で登っていたくらいで、黙々と登るタイプではありますが…、それでも、できない課題で、原因を教えてもらえると、すごくうれしいです。

登れる人が登れない人に分かる範囲で教え合うのは、何も問題ないと思いますが。

もちろん、自分で考える、というのは大事です。

でも、世の中、クライミングの天才ばかりではないので、考えるきっかけ、は、誰にだって必要です。

大体が一見さんばかりで、定着率が悪いのが、ジムの悩みですが、それは、その楽しさが一発では分かりづらい、という点にあります。

■ ジムブームで客の奪いなのかなぁ?

このジムブームの中、限られたパイの奪い合いと感じているジムなのかもしれないなぁと思いました。

知識や幸福、登る喜びというのは、分かち合えば余り、奪い合えば足りなくなるもの…

■ マーケティングマイオーピア

今の日本では ”限られたパイ幻想”も根強いです。

しかし、私が見た中では、そういう意識で商売をしている人たちは、売れなくなって行っていました…

パイは限られていない、

と思うのは、限られていると感じるのは、視野が狭いからではないかと…。

マーケティングの世界では、マーケティングマイオピア(マーケティング的短視眼)という名の戦略上の誤謬として有名です。 

例えば、飛行機が台頭した時、列車は誰も乗らなくなると危機感を募らせるのは、マーケティングマイオピアです。

サービスの本質を「客を運ぶ」ことと捉えずに、「旅」など、視野を広げるのが大事ということが、マーケティングのクラスでは定石として教えられています。