2025/11/02

【クライミングのスタイル】ヘッドポイント

 **ヘッドポイント(Headpoint)**とは、主にイギリスのトラッドクライミング文化で使われる用語で、

落ちたら危険なライン(グラウンドフォールや致命的落下のリスクが高いルート)を、事前にトップロープで徹底的に練習し、ムーブやプロテクション placement を完全に固めてから本番でリードするスタイルのことです。

ポイント

  • 落ちられないルートに対する安全配慮と成功率向上のための手法

  • トップロープでムーブ確認・ギア配置の位置や順番を徹底チェック

  • 本番リードでは、落ちない前提で登る

  • イギリスの「危険度評価(Eグレード)」が背景にある文化

似た概念との違い

スタイル 説明
オンスイト 情報なしで初見リード
フラッシュ β(情報)あり、初見リード
レッドポイント 練習後にリードで成功(ボルトルートの文脈が多い)
ヘッドポイント 危険なトラッドルートでのレッドポイント

背景文化

イギリスの伝統的クライミングにおいては

  • 「無謀なオンサイト崇拝」よりも

  • 生存と技術的熟達と倫理的美意識

が重視され、ヘッドポイントは「知的で慎重なアプローチ」と見なされることもあります。

ただし、一部では

  • 「真の冒険性が薄れる」
    という批判もあり、価値観の議論が存在します。