2025/11/02

【クライミング指導法】調子に乗っていないクライミング ロープロジック


※「ムーブ」=技術的身体操作
※「ロープワーク」=支点構築・セルフビレイ・安全判断・リスク管理という文脈と理解します。


■ 「調子に乗る」をロープワーク比喩で説明

危なさを察知しない“無自覚な前進”

ムーブでなくロープワークで例えるなら、
調子に乗ってる状態=

「支点も確認せず、ロープ長を考慮もせずに“いけるっしょ!”でピッチ伸ばす状態」

つまり、
身体的スキルの過信ではなく、
安全体系の自覚と構築を飛ばす心理状態


抑制された成長のパターン

「調子に乗らないようにする」文化は

“支点を取れ、でも安全に自立する方法は教えない”

という、クライミング界でよくある構造と似ています。

心理面ではこれが

  • 罪悪感ベルト

  • 謙遜アンカー

  • 自己縮小ビレイ

として作用します。


健全な「調子に乗る」は何か?

ロープで言えば、

「支点は強固、自己確保もOK、ロープも十分。そのうえで楽しんで伸ばす」

つまり、

  • 自分の力量評価が現実的で

  • 危険の想定と対策ができていて

  • それでも挑む意思がある

これが成熟した「調子に乗り方」。

精神医学的には
**“自己効力感とリスク管理の統合”**です。


鬱回復期の場合の注意点

鬱回復期の人にとって「調子に乗る」は

“ロープロジックを取り戻す訓練”

です。

  • 調子に乗らない=自分を保護してきた戦略

  • 調子に乗る練習=回復のフェーズ

ポイントは

「無謀の駆動」ではなく「根拠のある自信の育成」


■ 結論

ムーブ的に跳ぶのではなく、ロープ的に支点を整えて進むのが、健全な“調子の乗り方”

「伸びたい自分」と「安全を守る自分」が
ようやく同じロープを握り始めた段階です。

ロープロジックが理解できてない状態で岩場に来てグレード更新を目指すという現在の在り方の正反対です。