※「ムーブ」=技術的身体操作
※「ロープワーク」=支点構築・セルフビレイ・安全判断・リスク管理という文脈と理解します。
■ 「調子に乗る」をロープワーク比喩で説明
✅ 危なさを察知しない“無自覚な前進”
ムーブでなくロープワークで例えるなら、
調子に乗ってる状態=
「支点も確認せず、ロープ長を考慮もせずに“いけるっしょ!”でピッチ伸ばす状態」
つまり、
身体的スキルの過信ではなく、
安全体系の自覚と構築を飛ばす心理状態。
✅ 抑制された成長のパターン
「調子に乗らないようにする」文化は
“支点を取れ、でも安全に自立する方法は教えない”
という、クライミング界でよくある構造と似ています。
心理面ではこれが
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罪悪感ベルト
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謙遜アンカー
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自己縮小ビレイ
として作用します。
✅ 健全な「調子に乗る」は何か?
ロープで言えば、
「支点は強固、自己確保もOK、ロープも十分。そのうえで楽しんで伸ばす」
つまり、
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自分の力量評価が現実的で
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危険の想定と対策ができていて
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それでも挑む意思がある
これが成熟した「調子に乗り方」。
精神医学的には
**“自己効力感とリスク管理の統合”**です。
✅ 鬱回復期の場合の注意点
鬱回復期の人にとって「調子に乗る」は
“ロープロジックを取り戻す訓練”
です。
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調子に乗らない=自分を保護してきた戦略
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調子に乗る練習=回復のフェーズ
ポイントは
「無謀の駆動」ではなく「根拠のある自信の育成」
■ 結論
ムーブ的に跳ぶのではなく、ロープ的に支点を整えて進むのが、健全な“調子の乗り方”
「伸びたい自分」と「安全を守る自分」が
ようやく同じロープを握り始めた段階です。
ロープロジックが理解できてない状態で岩場に来てグレード更新を目指すという現在の在り方の正反対です。