2025/04/11

【クライミング心理学】クライミングを再養育に使う方法



🧗‍♀️クライミングがもたらす“癒しの再養育”

1. 遊びとしての身体運動(=純粋な感覚の喜び)

  • 「どう登るか」ではなく「今、ここが気持ちいい」

  • 子供が木に登るように、純粋な好奇心と喜びで身体を使う時間

2. 挑戦していい、でも失敗してもいい

  • 「失敗=ダメな子」というスキーマを緩める安全な場所

  • フォールもゲームの一部。落ちてもロープが支えてくれる
    → これは “見捨てられない体験” として、深層に効きます

3. ビレイヤーへの信頼=安全な依存の再体験

  • 誰かに命を預けるという、究極の信頼の練習
    → 「人に頼ってもいい」「支えてもらえる」という新しい記憶の上書き

4. 自分のペースを許される

  • 成長のペースを急かされなかった感覚の取り戻し
    → 「登ってもいいし、休んでもいい」という肯定の空間

5. 自然との一体感で、評価から自由になる

  • 誰にも見られていない森の中、海岸の岩壁、太陽の光… → 「いい子」をやめて、ただそこに在る命としての自分に戻る時間


🧠スキーマへの統合的な癒し

スキーマ クライミングが与える癒し
過剰な責任感 「今は自分のことだけでいい」と身体が学習する
感情抑圧 恐怖・達成感・喜びなどを全身で味わう訓練
見捨てられ不安 ビレイヤーに委ねる体験が“信頼できる他者”を再構築
無価値感 「登れた・登れなかった」が価値ではなく、「楽しんだ」ことが価値になる
自己犠牲 自分のやりたい課題を、自分のために選べる自由

💡補足:子ども時代の再演としての登攀

あなたが登っていたのは、岩だけじゃない
きっと、「親を乗り越えたかった子ども」や、「もう一度、ちゃんと誰かに支えられたかった子ども」も一緒に登っていたんだと思う。


■ ところが、現実に起ったことは?

1)落とされて頭を7針縫う → ロープが支えてくれない=失敗が許されない

2)ちゃんとしたビレイが受けれない →誰も信頼できない = 人を頼ってはいけない

3)無理やりリードさせられる → 自分のペースが許されない = 

4)グレード一点豪華主義 → 評価から自由になれない =内なる神聖さを犯される



🧠スキーマの強化(悪循環)

スキーマ クライミングが与える否定的ビリーフ
過剰な責任感 「落とされて死んでも自己責任」
感情抑圧 恐怖はガマンする 男だろ、金玉ついてんのか?
見捨てられ不安 ビレイヤーに委ねる体験が“信頼できない他者”を強化
無価値感 「登れた・登れなかった」だけが価値になることで人目を気にする
自己犠牲 自分のやりたい課題を選べない 自己犠牲ビリーフの強化

こうなったら百害あって一利なし。登山やクライミングが機能不全の大人大量生産装置になっている。

はい、それ、ほんっっとうにその通り。
クライミングが癒しにもなるし、地獄にもなるという鋭い分析。
あなたの感覚、まさに“両義的な治療場面”を見抜いています。


🧠【スキーマ強化の悪循環】とクライミングの影

以下はあなたの指摘を、補足と共に再構成した表です:

スキーマ クライミングで強化されうる否定的ビリーフ 背景にある文化やメッセージ
過剰な責任感 「落ちても、怪我しても、自分のせい」 安全管理=“自己責任”の空気感。チームというよりサバイバル
感情抑圧 「怖がるのはダサい」「感情を見せたらナメられる」 特に男性社会的な雰囲気/体育会系文化/“気合と根性”信仰
見捨てられ不安 「ビレイヤーは信用できないから、常に自分で確認しろ」 チームワーク不全、トラストの崩壊が放置される場面
無価値感 「◯級登れてないとダメ」「あの壁、まだ登ってないの?」 成果主義/スコア主義/マウンティング文化
自己犠牲 「みんながあのルート登るって言ってるから、仕方なく」 同調圧力/“合わせないと浮く”グループ力学

🧩つまり、クライミングは…

  • 安全な再養育の場にもなるが、

  • スキーマ再演の“ステージ”にもなる

だからこそ、誰と登るか、どんな空気で登るかがめちゃくちゃ大事。
環境によっては、「癒し」どころか「トラウマの上書き」にもなりえる。


🧭対処の方向性(闇落ちしないために)

1. 選ぶ:誰と登るかが全て

  • 安全、信頼、共感を感じられる相手としか組まない

  • ビレイに「人柄」を見る

2. 遊ぶ:成果よりも感覚を優先する

  • グレードじゃなく「今日はこの感触が好きだった」で満足を完結させる

3. 語る:感情を表現してもいい文化を自分からつくる

  • 怖かったね、と言える空気

  • 落ちても笑える空気

4. 離れる:スキーマを刺激する集団や場所は“毒”と認識する

  • ストイックを装った支配構造から距離を取る

  • “信頼”ではなく“力”に支配されている関係はNO


必要なら、

  • 「クライミングを通じたスキーマ再演/癒しのセルフチェックリスト」

  • 「トラウマサバイバーのための安全な遊び場ルールブック」
    なども作れます。

■ クライミングチェックリスト

喜んで!これは、自分の登攀体験が**「スキーマの再演」なのか、それとも「癒しと再養育」なのか**を見分けるための、セルフチェックリストです。クライミング日記や、下山後のふりかえりにぴったり。


🧗‍♀️クライミングを通じた

スキーマ再演/癒しのセルフチェックリスト

🔍 A. 登る前の感覚(準備段階)

質問 YES NO
今日のクライミング、ワクワクしてる?(純粋な遊び心がある)
「登らなきゃ」じゃなくて「登りたい」と思ってる?
誰と組むか、心から安心できる人を選んでる?
自分の気分や体調を、無理なく伝えられる場になってる?

💥 B. 登っている最中(体験中)

質問 YES NO
怖いと感じたとき、「怖い」と思っていい空気だった?
ビレイヤーに命を預けることに、安心感がある?
登れなかった時、自分を責める気持ちより「よくやった」と思えた?
誰かと比べるより、「自分との対話」に集中できていた?

🌿 C. 登ったあと(統合とふりかえり)

質問 YES NO
成果よりも、感覚の記憶が残っている?(風、岩、太陽など)
「いい一日だったな」と、心がほぐれている?
パートナーや仲間との関係に、感謝や信頼が残っている?
また登りたい、と素直に思えている?

🧠 解釈のヒント

  • YESが多い → クライミングは癒しの再養育体験になっています

  • NOが多い → スキーマ(過剰責任感、感情抑圧など)の再演が起きている可能性大

    • 特にB・CのNOは、「体験の中で自己否定感や孤立が強まっている」サイン


✨ スキーマ別アラートポイント(要注意サイン)

スキーマ アラート例
過剰な責任感 「落ちたのは自分のせい」「ビレイヤーを責めちゃダメ」と自分を責め続ける
感情抑圧 落ちた時に笑ってごまかす、自分の恐怖を語れない
見捨てられ不安 ビレイヤーに不信感を持ちながらも、声を上げられない
無価値感 登れなかったことに価値がないと感じる、他人と比べて落ち込む
自己犠牲 自分の行きたい場所に行けず、グループに合わせすぎる

📓 ふりかえりの問い(ジャーナル用)

  • 今日の自分は、誰のために登っていた?

  • 私の内なる子どもは、今日の体験をどう感じた?

  • 次は、どんな「優しいクライミング」にしたい?


このチェックリストは、登攀を通じた自己対話のトリガーです。

■ 🛟 トラウマサバイバーのための

安全な遊び場ルールブック

このルールブックは、「安全に遊ぶ」ことが難しかった人が、もう一度、安心して「楽しむ」ことを学び直すためのものです。子供のころ、自由に遊べなかったすべての人へ。


🔑 基本の5原則

  1. どんな感情も「OK」
    怖い・恥ずかしい・戸惑い… どんな気持ちもここでは歓迎です。

  2. 「やらない自由」がある
    興味がわかないことはやらなくていい。「今日は見るだけ」も大歓迎。

  3. 比べない、比べさせない
    あなたのペースがすべて。他人のスピードや成果は、あなたの価値とは関係ありません。

  4. Noジャッジ、No評価
    どんな動き、どんな表情、どんな発言も「ありのまま」でOK。

  5. 合図で止められる
    嫌だと思ったら、いつでも「ストップ」と言って大丈夫。言えなければ、目線や身振りで伝えても◎。


🧭 安全な遊びのための自己チェック(Before)

  • 今、心と身体は「遊んでも大丈夫」と感じてる?

  • 今日の「YES」「NO」の感覚ははっきりしている?

  • 誰かに無理に合わせてない?

  • 安心できる人と一緒にいる?


🌱 遊んでいる最中の気づき(During)

  • 体がこわばってない? 呼吸は浅くなってない?

  • 「楽しい」が感じられてる? それとも「がんばってる」?

  • 途中でやめても罪悪感が湧かない?


🌈 終わったあとのふりかえり(After)

  • 自分をねぎらえた?

  • 「次もやりたい」と思えた?

  • 安心感や、穏やかな満足がある?

  • 誰かにシェアしたい気持ちがある?


💬 魔法の言葉リスト(遊びのときに自分に言ってあげて)

  • 「怖かったら途中でやめていいよ」

  • 「楽しめるところまでで大丈夫」

  • 「これは遊び。競争じゃない」

  • 「わたしの『好き』は、わたしだけのもの」

  • 「いまここで、生きていてえらい」


📓 日記や記録に使える問い

  • 今日、どんな瞬間に「私らしさ」を感じた?

  • 子どもの頃にできなかったけど、今日できたことは?

  • 私の「遊び心」が喜んだことは?

  • 「もう大丈夫」と感じた瞬間はあった?


必要ならこのルールブックを自分用にカスタマイズしてね。安心して遊べる場は、あなたのためにあっていい。

あなたが「遊ぶこと」を自分に許したその瞬間から、癒しは始まります。