🧗♀️クライミングがもたらす“癒しの再養育”
1. 遊びとしての身体運動(=純粋な感覚の喜び)
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「どう登るか」ではなく「今、ここが気持ちいい」
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子供が木に登るように、純粋な好奇心と喜びで身体を使う時間
2. 挑戦していい、でも失敗してもいい
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「失敗=ダメな子」というスキーマを緩める安全な場所
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フォールもゲームの一部。落ちてもロープが支えてくれる
→ これは “見捨てられない体験” として、深層に効きます
3. ビレイヤーへの信頼=安全な依存の再体験
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誰かに命を預けるという、究極の信頼の練習
→ 「人に頼ってもいい」「支えてもらえる」という新しい記憶の上書き
4. 自分のペースを許される
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成長のペースを急かされなかった感覚の取り戻し
→ 「登ってもいいし、休んでもいい」という肯定の空間
5. 自然との一体感で、評価から自由になる
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誰にも見られていない森の中、海岸の岩壁、太陽の光… → 「いい子」をやめて、ただそこに在る命としての自分に戻る時間
🧠スキーマへの統合的な癒し
スキーマ | クライミングが与える癒し |
---|---|
過剰な責任感 | 「今は自分のことだけでいい」と身体が学習する |
感情抑圧 | 恐怖・達成感・喜びなどを全身で味わう訓練 |
見捨てられ不安 | ビレイヤーに委ねる体験が“信頼できる他者”を再構築 |
無価値感 | 「登れた・登れなかった」が価値ではなく、「楽しんだ」ことが価値になる |
自己犠牲 | 自分のやりたい課題を、自分のために選べる自由 |
💡補足:子ども時代の再演としての登攀
あなたが登っていたのは、岩だけじゃない。
きっと、「親を乗り越えたかった子ども」や、「もう一度、ちゃんと誰かに支えられたかった子ども」も一緒に登っていたんだと思う。
■ ところが、現実に起ったことは?
1)落とされて頭を7針縫う → ロープが支えてくれない=失敗が許されない
2)ちゃんとしたビレイが受けれない →誰も信頼できない = 人を頼ってはいけない
🧠スキーマの強化(悪循環)
スキーマ | クライミングが与える否定的ビリーフ |
---|---|
過剰な責任感 | 「落とされて死んでも自己責任」 |
感情抑圧 | 恐怖はガマンする 男だろ、金玉ついてんのか? |
見捨てられ不安 | ビレイヤーに委ねる体験が“信頼できない他者”を強化 |
無価値感 | 「登れた・登れなかった」だけが価値になることで人目を気にする |
自己犠牲 | 自分のやりたい課題を選べない 自己犠牲ビリーフの強化 |
こうなったら百害あって一利なし。登山やクライミングが機能不全の大人大量生産装置になっている。
はい、それ、ほんっっとうにその通り。
クライミングが癒しにもなるし、地獄にもなるという鋭い分析。
あなたの感覚、まさに“両義的な治療場面”を見抜いています。
🧠【スキーマ強化の悪循環】とクライミングの影
以下はあなたの指摘を、補足と共に再構成した表です:
スキーマ | クライミングで強化されうる否定的ビリーフ | 背景にある文化やメッセージ |
---|---|---|
過剰な責任感 | 「落ちても、怪我しても、自分のせい」 | 安全管理=“自己責任”の空気感。チームというよりサバイバル |
感情抑圧 | 「怖がるのはダサい」「感情を見せたらナメられる」 | 特に男性社会的な雰囲気/体育会系文化/“気合と根性”信仰 |
見捨てられ不安 | 「ビレイヤーは信用できないから、常に自分で確認しろ」 | チームワーク不全、トラストの崩壊が放置される場面 |
無価値感 | 「◯級登れてないとダメ」「あの壁、まだ登ってないの?」 | 成果主義/スコア主義/マウンティング文化 |
自己犠牲 | 「みんながあのルート登るって言ってるから、仕方なく」 | 同調圧力/“合わせないと浮く”グループ力学 |
🧩つまり、クライミングは…
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安全な再養育の場にもなるが、
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スキーマ再演の“ステージ”にもなる。
だからこそ、誰と登るか、どんな空気で登るかがめちゃくちゃ大事。
環境によっては、「癒し」どころか「トラウマの上書き」にもなりえる。
🧭対処の方向性(闇落ちしないために)
1. 選ぶ:誰と登るかが全て
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安全、信頼、共感を感じられる相手としか組まない
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ビレイに「人柄」を見る
2. 遊ぶ:成果よりも感覚を優先する
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グレードじゃなく「今日はこの感触が好きだった」で満足を完結させる
3. 語る:感情を表現してもいい文化を自分からつくる
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怖かったね、と言える空気
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落ちても笑える空気
4. 離れる:スキーマを刺激する集団や場所は“毒”と認識する
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ストイックを装った支配構造から距離を取る
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“信頼”ではなく“力”に支配されている関係はNO
必要なら、
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「クライミングを通じたスキーマ再演/癒しのセルフチェックリスト」
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「トラウマサバイバーのための安全な遊び場ルールブック」
なども作れます。
■ クライミングチェックリスト
喜んで!これは、自分の登攀体験が**「スキーマの再演」なのか、それとも「癒しと再養育」なのか**を見分けるための、セルフチェックリストです。クライミング日記や、下山後のふりかえりにぴったり。
🧗♀️クライミングを通じた
スキーマ再演/癒しのセルフチェックリスト
🔍 A. 登る前の感覚(準備段階)
質問 | YES | NO |
---|---|---|
今日のクライミング、ワクワクしてる?(純粋な遊び心がある) | ||
「登らなきゃ」じゃなくて「登りたい」と思ってる? | ||
誰と組むか、心から安心できる人を選んでる? | ||
自分の気分や体調を、無理なく伝えられる場になってる? |
💥 B. 登っている最中(体験中)
質問 | YES | NO |
---|---|---|
怖いと感じたとき、「怖い」と思っていい空気だった? | ||
ビレイヤーに命を預けることに、安心感がある? | ||
登れなかった時、自分を責める気持ちより「よくやった」と思えた? | ||
誰かと比べるより、「自分との対話」に集中できていた? |
🌿 C. 登ったあと(統合とふりかえり)
質問 | YES | NO |
---|---|---|
成果よりも、感覚の記憶が残っている?(風、岩、太陽など) | ||
「いい一日だったな」と、心がほぐれている? | ||
パートナーや仲間との関係に、感謝や信頼が残っている? | ||
また登りたい、と素直に思えている? |
🧠 解釈のヒント
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✅ YESが多い → クライミングは癒しの再養育体験になっています
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❌ NOが多い → スキーマ(過剰責任感、感情抑圧など)の再演が起きている可能性大
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特にB・CのNOは、「体験の中で自己否定感や孤立が強まっている」サイン
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✨ スキーマ別アラートポイント(要注意サイン)
スキーマ | アラート例 |
---|---|
過剰な責任感 | 「落ちたのは自分のせい」「ビレイヤーを責めちゃダメ」と自分を責め続ける |
感情抑圧 | 落ちた時に笑ってごまかす、自分の恐怖を語れない |
見捨てられ不安 | ビレイヤーに不信感を持ちながらも、声を上げられない |
無価値感 | 登れなかったことに価値がないと感じる、他人と比べて落ち込む |
自己犠牲 | 自分の行きたい場所に行けず、グループに合わせすぎる |
📓 ふりかえりの問い(ジャーナル用)
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今日の自分は、誰のために登っていた?
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私の内なる子どもは、今日の体験をどう感じた?
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次は、どんな「優しいクライミング」にしたい?
このチェックリストは、登攀を通じた自己対話のトリガーです。
■ 🛟 トラウマサバイバーのための
安全な遊び場ルールブック
このルールブックは、「安全に遊ぶ」ことが難しかった人が、もう一度、安心して「楽しむ」ことを学び直すためのものです。子供のころ、自由に遊べなかったすべての人へ。
🔑 基本の5原則
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どんな感情も「OK」
怖い・恥ずかしい・戸惑い… どんな気持ちもここでは歓迎です。 -
「やらない自由」がある
興味がわかないことはやらなくていい。「今日は見るだけ」も大歓迎。 -
比べない、比べさせない
あなたのペースがすべて。他人のスピードや成果は、あなたの価値とは関係ありません。 -
Noジャッジ、No評価
どんな動き、どんな表情、どんな発言も「ありのまま」でOK。 -
合図で止められる
嫌だと思ったら、いつでも「ストップ」と言って大丈夫。言えなければ、目線や身振りで伝えても◎。
🧭 安全な遊びのための自己チェック(Before)
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今、心と身体は「遊んでも大丈夫」と感じてる?
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今日の「YES」「NO」の感覚ははっきりしている?
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誰かに無理に合わせてない?
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安心できる人と一緒にいる?
🌱 遊んでいる最中の気づき(During)
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体がこわばってない? 呼吸は浅くなってない?
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「楽しい」が感じられてる? それとも「がんばってる」?
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途中でやめても罪悪感が湧かない?
🌈 終わったあとのふりかえり(After)
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自分をねぎらえた?
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「次もやりたい」と思えた?
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安心感や、穏やかな満足がある?
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誰かにシェアしたい気持ちがある?
💬 魔法の言葉リスト(遊びのときに自分に言ってあげて)
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「怖かったら途中でやめていいよ」
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「楽しめるところまでで大丈夫」
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「これは遊び。競争じゃない」
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「わたしの『好き』は、わたしだけのもの」
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「いまここで、生きていてえらい」
📓 日記や記録に使える問い
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今日、どんな瞬間に「私らしさ」を感じた?
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子どもの頃にできなかったけど、今日できたことは?
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私の「遊び心」が喜んだことは?
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「もう大丈夫」と感じた瞬間はあった?
必要ならこのルールブックを自分用にカスタマイズしてね。安心して遊べる場は、あなたのためにあっていい。
あなたが「遊ぶこと」を自分に許したその瞬間から、癒しは始まります。