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2025/10/04

【まとめなおし】「スーパーアルピニストを目指す人のための戦略マニュアル」

スーパーアルピニストを目指す人のための戦略マニュアル」として体系的にまとめ直しました。

戦略(考え方・方向性)と事例(伊藤仰二さんの実践)がワンセットになるように整理しています。


スーパーアルピニスト戦略マニュアル

~伊藤仰二氏ヒマラヤ遠征報告から学ぶ~

戦略1:思考基盤を“解決志向”に切り替える

考え方

  • 情熱や根性ではなく、「どう解決するか?」を常に問い続ける。

  • 不足を具体化し、一つずつ潰していくことが成長への最短ルート。

事例

  • 伊藤氏の報告は「熱い思い」ではなく、「解決策そのもの」を提示する内容だった。


戦略2:徹底的な計画力を鍛える

考え方

  • 遠征の壁探しは“偶然”ではなく“調査力”で決まる。

  • 時間を惜しまず、地図や衛星画像を使って条件を絞り込む。

事例

  • Googleアースを使って1か月半、パソコンに張り付き壁を調査。

  • 「取り付ける可能性がある壁」を見抜くためには経験が必要。


戦略3:時期とエリアを戦略的に選択する

考え方

  • 季節とエリアは成果を左右する。

  • 天候リスクと混雑リスクを避け、実力に合うフィールドを選ぶ。

事例

  • 12月は天候が安定している一方で、リスクは寒さ。

  • エベレスト周辺ではなく、ダウラギリ周辺を選んだ。


戦略4:困難度を“総合”で把握し、国内でリハーサル

考え方

  • 難易度だけでなく「標高×距離×日数」の総合負荷を評価する。

  • 国内で同条件を模擬体験し、実力を検証する。

事例

  • 遠征概要:

    • 標高:約 6000m

    • グレード:M7 / AI5

    • 総距離:1700m

    • スタイル:5ビバーク・1プッシュ

    • 高低差:約 4000m

  • 4800m地点に食料デポを設置してリスクに対応。

  • 登攀ペース:約400m/日を4日連続

  • 一般人比較:インスボンのマルチ(300m)を1日2本登る=600m/日(難度は5.9〜10代=M5〜M6)。
    👉 国内でも登攀距離400m×数日をこなせないなら、高所で成功する可能性は極めて低い。


戦略5:M7を“涼しい顔で”こなす実力を持つ

考え方

  • スーパーアルピニストの必須条件は「M7を安定して登れること」。

  • 岩・氷・ミックスを自在にこなせる総合力が必要。

事例

  • 伊藤氏は**M7(5.11代相当)**を高所でオンサイトできる力を前提に計画を立てていた。


戦略6:高速のアルパインスタイルを徹底する

考え方

  • 荷物を最小限に削ぎ落とし、スピードでリスクを減らす。

  • 「速さ=安全」の思想を徹底する。

事例

  • 基本はリード&フォローで進行。

  • 生活ギア込みで重量はトップ3kg、フォロー10kg(合計13kg)

  • 装備例:

    • アイススクリュー7本

    • カム一式

    • ハーケン9枚

    • ナッツ2セット

    • アルパインヌンチャク6本

    • 捨て縄用ギア4つ


戦略7:国内外で“本番に近い練習”を積む

考え方

  • 実際の標高や距離、グレードに近い条件で練習し、成功率を上げる。

  • 国内リハーサル → 海外実践のサイクルを回す。

事例

  • 伊藤氏は国内外で積み重ねた経験を「6000m級・1700m・M7」という形で結実させた。


最終まとめ

スーパーアルピニストを目指すには――

  1. 解決志向で課題を潰す

  2. 徹底した調査・計画力

  3. 適切な時期と山域選択

  4. 総合困難度を国内でリハーサル

  5. M7を安定して登れる実力

  6. 軽量・高速のアルパインスタイル

  7. 国内外で段階的に経験を積む

この7つの戦略が、ヒマラヤ級のスーパーアルピニストへの道を切り拓きます。


一方の現実

世も末九州で見かけた若者事例

https://allnevery.blogspot.com/2023/02/blog-post_19.html

くどいようですが、これが現実ですからね。

―――――――引用ーーーーーーーーーーー


先日比叡を登攀中、隣のパーティをみたら、懸垂下降しているのに、ロープの末端が地面届いていない!ロープの末端も結ばれていない…


どうするんでしょう~


下からほかのクライマーに


「ロープが地面まで届いていないぞー」
「2本で降りろー」


と叫ばれていました(笑)
こんな流れ。


「もう一本のロープはどこだー?」
「ザックの中でーす」


…(一同)。


「そこの中間支点にセルフを取るんだー!」
「ザックを絶対に落とすなよー」
「ロープを出して連結するんだー」


クライマー「ロープ連結しましたー」


そのあとがズッコケ。上の人に「ロープ引いてくださーい」とクライマー。いや、どっちの末端を結んだか、上の人が分かるはずないでしょ。そういう時は自分が引くしかないでしょ。


これは序の口で、懸垂で無事降りて、次は中間にいる初心者をローワーダウンで下で確保しておろすことにしたらしいのですが、当然2本を連結しているので、ザイル通過があります。


他のクライマー:「ザイル通過あるよ」
クライマー: ?


確保器がない=プルージックが必要ですが、そういうことは期待できないだろうと、明らか(笑)。
他のクライマーが確保器を貸していました。

ーーーーーーーーーーー 

チーン、って感じ。

日本の登山界の東大=文部省登山研究所のリーダー講習ということになっていたんですが…この若者は、そこの出身です…。

文登研の実力も地に落ちたものですね…。

つまり、もっと革新的な登山教育をしてくれないと!

今までやってきた、分かるやつにわかればいいっていう教育法だと、分かるやつはほとんどいないって意味ですよ。