2025/11/22

BMCトラッドフェスに誘われたことと翻訳のこと、回想録13

 さて、続きを書きます。

来てすぐのころ、ちょうど韓国の登山店でUIAAの『アルパインサマー』の韓国語訳を見たんですよね。

それで、この日本語訳がなぜないのだろうか?と思い、UIAAに出版依頼のメールを書きました。

はっきり言って誰でもできるようなことでしょう?

でも、何年も、どころか、何十年も日本人はインスボンに通い続けて、誰も気が付かなかったんですかね?

これでスティーブ・ロング氏とは仲良くなりました。初期には彼とはかなり意気投合しました。日本には、まともなクライミング教育が必要だ!という必要性についてです。

それで、翻訳のほうもしないかと言われたんですが、私は翻訳のほうはプロでやってきており、無料で自分のスキルを差し出させられるのは嫌だったんです。当然でしょ、英語力無料で着くわけじゃないし、人生の大部分を語学の習得に費やしてきているんだから。

日本人は語学に対してのリスペクトが低く、無料の通訳をすぐさせようとします…。まぁクライミング中のちょっとした通訳くらいで目くじら立てないですけど、なんかなぁ…と思います。

語学ができると便利や扱いされるので、それでできるだけ英語力があるということは、触れて回らない、言わないわけなんですよ。

それで、翻訳依頼が、ご褒美にならなかったからだと思いますが、BMCトラッドフェスにおいでって言われたんですよ。

でも、これも、ご褒美になります?イギリスって超怖いクライミングの歴史の国ですよね?ちがうんかな?

私の中ではイギリスのクライミングの伝統って、世界一怖いクライミングでしたけど…。

私が担当するエリアじゃないっていうか…。

それで、イギリスに行くことが経験値になるような、今から世に出るクライマーにとって良さそうなのでそういうクライマーがいれば、一緒に行けば、折角のご縁が活かせると思いました。

が身近にそういう人がいなかったんです。それでなし、にしました。正直、イギリスに一回行くお金があれば、ラオスに3回とかベトナムに3回とかのほうがよさそうでした。

わざわざ入門レベルのクラックを登るのにイギリスくんだりまで行く意味が見いだせなかった。

それよりアフタヌーンティーが出てくるB&Bに夫と泊まる方がいいなって感じでした。

で、誰かにとってはチャンスだと思うけれども、私はパスしました。これは、ぜんぜん、チャンスを見逃したってことではないです。なんか、行きたくなかったんです。

そういえば、パタゴニアで屋久島の報告会があったときに、ユタのクライミングでユースケさんとジャンボさんが主催し、現地で18万でトップクライマーと同席クライミングができるっていうのがありましたよね。

ちなみに私はカリフォルニアで初めての運転免許を取ったんですよ…20歳の時。それでカリフォルニアのソーシャルセキュリティ―番号も持っている。免許や銀行口座の開設に必要だからです。

入国から1か月後には、フツーにアメ車のトーラスで6歳のマシューの送り迎えをし、遠出もしていましたので、ヨセミテに行くなら、普通に運転できると思います。反対ハンドルなので要注意ですが。

カリフォルニアには住んでいたので、土地勘があり、ベイエリアはだいぶ遠くまで行った。ナパとか、反対側の、シリコンバレー方面とか。暮らしていたので用事で行きました。

恋人だったデイビッドが当時はボルボを載っていたので、ボルボ好きです。サンフランシスコでは6回も引っ越したので、大体わかるというのがあり、まだクライマーになる以前ですが、夫を連れて行き、ヨセミテも行きました。

オーストラリアで良ければ、まあ親しい友人もいるし、夫も運転して山に一緒に出掛けたりもしました。妹が移住してあちらに住んでいます。サーファーズパラダイス。

私は、当時はアウトドア派ではなく、自然が好き派、で、ヨセミテでも、高級ホテルではなく、ヨセミテバグズというバッパーに泊まっています。

私が英語ができるおかげで夫は充実した海外経験ができたと思います。スペインに行ったときは、ホテルではなく、アパートに泊まりました。生活するみたいに旅をするのが好きなんです。でも、夫からすると、これの何が難しいの?という感じかもしれません。大変なのは、その宿を探して見つける能力と現地とのやり取りだけで、一緒にいる分にはとくに何かしないといけない作業はないからです。

なので、インスボンの時も、一緒に言ったクライマーは私が接待したことは無自覚だと思いますけど…。

まぁ、これを言い出すとおまえはどうだと言われそうですがね。相手がどれくらい負担に思っているか、この辺りは、人によって違うので、とにかく感謝しておくのが最善の戦略のように思います。

ユタのクライミングは、どうなんでしょうかね?ラオスに行ったときは、アメリカのクライマーから、マウントレーニアの誘いを受けましたし、フィンランドのクライマーからアイスを登りにおいでと言われました。

どっちも実現していないですが、ユタって私らしいクライミングなんかいな?そこがいまいち理解できないので、理解できないってことはいかなくていいって意味じゃないのかしら?

ヨセミテに関しても、当時御年74歳の米澤先生ですら俺も行きたい!って言っていましたが…そんなに行きたいのかなぁ…エイド三昧だったら行っても楽しくないんじゃないかな?

ヨセミテには、SF市内から、バスも出ているので、一人でも行けますよ。その場合、宿泊地にはシビックセンターやMOMAの周り、チャイナタウンの周辺は選ばない方がいいかも。治安の悪さで知られています。まぁ、都心のホテルならどこも治安は一緒です。要するにダウンタウンの治安は悪いです。

私が住んでいたのは、バーナルハイツ、ゴールデンゲイトブリッジパーク周辺、ミッション、マリーナタウン、ジャパンタウンの近くです。バーナルハイツは消防士と警察官が多くこじんまりしていいところです。ミッションは西成区と同じです。マリーナタウンは富豪エリアで、安全。ジャパンタウンは黒人さんの地区と近いのでそこだけいる分には安全って感じです。パークの近くも、土地勘がないと、パンハンドルの目の前だったりしたら危険です。麻薬の売人のエリア。こんな感じで安全を買うのが難しいんですよね、アメリカは。

またSFに住んで、毎日バレエを見る生活がしたい…。あの頃は本当に幸せだったなぁと思います。

あ、話がそれましたが、ヨセミテは、私はフツーにハイキングベースで、登りは味見でいい感じです。

ラオスに行っていないのは、経営者が変わって、格安クライミングの醍醐味が減じているのと、もう知っているので、何か追加課題が欲しいという感じです。

ただ行くだけならいけるの知っているから、何のチャレンジにもならないしなぁ…。

現地でパートナーを得るというのも一回目からできたので、そんなに難しいことではないし…。

二度目は育成担当みたいになっていました。というので、ラオスも、機織りを見に行く用事とかなにか、レストデイの活動で目新しい発見が欲しい感じです。

まとめ

●BMCトラッドフェス → 行かない
●ヨセミテ → ハイキングで十分
●ユタ → 自分のスタイルか分からないから無理に行かない
●ラオス → すでに達成したので追加課題が欲しい
●海外生活 → 英語力と旅力で自分の居場所を作れる

どこで登るかより
誰と登るか
どういう関係で登るか
が圧倒的に重要。

・自分の負担の大きさ
・相手が感謝できるか
・自分のスキルが搾取されないか
・価値観が合うか
・誠実さがあるか
・責任感が共有できるか

以上をすごく重視している。


  • エイド三昧なら楽しくない
  • ヨセミテはハイキングで満足
  • 行かない理由ではなく、行く理由がない
  • 海外生活者としての経験の方が価値がある


「快適で文化的で、安全意識が高く、美しい自然のある場所で、誠実なパートナーと穏やかなクライミングをする」のが私の希望です。