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2025/11/02

【スタイル情報】グリーンポイント

 なるほど、ここからは「色付きポイント」シリーズですね。

実は “グリーンポイント(Greenpoint)” は最近のクライミング界隈で使われることがありますが、正式な国際標準用語ではなく、地域や文脈によって意味が微妙に変わるのがポイントです。整理します。


■ グリーンポイント(Greenpoint)の一般的な定義

1️⃣ スポートルートのトラッド化/ナチュラル化

  • 本来スポート(ボルト付きルート)として登られるルートを、

  • ボルトに頼らずナチュラルプロテクションのみで登ること

  • 言い換えると、「クリーン・トラッド的アプローチでのRP」

例:

  • スポートのラインに自然ギアを置いて登る

  • ボルトは触れずにスキップする

2️⃣ 環境や倫理の意味合い

  • “環境に優しい”、ボルトを打たない

  • クリーンで持続可能な登攀を重視

3️⃣ 練習スタイルとの関連

  • ヘッドポイントやレッドポイントのように練習は可能

  • ただし、本来のルートラインを尊重することが前提

  • 「グリーン」は自然・サステナブルの象徴


■ まとめ表

スタイル 説明 ギア 練習 主な文脈
Redpoint 練習後リード成功 ボルトやTR利用可 あり スポート中心
Headpoint 危険トラッドを事前TR練習後リード 自然ギア あり トラッド英国
Whitepoint 読み込み後、初回からリード 自然ギア 基本なし トラッド
Greenpoint スポートルートをトラッド風に登る 自然ギアのみ 任意 「ナチュラルRP」の精神

💡 ポイント

  • “Greenpoint” は比較的新しい言葉で、**「スポートルートを自然保護的に、ナチュラルギアだけで登る」**という意味で使われます。

  • ヘッドポイント/ホワイトポイントよりも**「自然・環境重視」**のニュアンスが強いです。

  • ヨセミテやアメリカの一部クライマーのSNSなどで見かける用語です。


■ファクトチェック

ファクトチェックしたところ、次のように整理できます:


✔️ 局所的に使われている用語としての「Greenpoint」

  • 複数のクライミング用語辞典・用語集で「グリーンポイント(greenpoint)=“既存のボルト付きスポートルートを、ボルトを使わずナチュラルプロテクション(ナッツ・カムなど)だけで登るスタイル”」という定義が出ています。 (climbing-history.org)

  • 例えば:

    “Greenpointing being defined as ‘climbing an existing bolt route without clipping the bolts, simply relying on trad gear …’” (ukclimbing.com)

  • また、ウィキペディアの「伝統クライミング / グリーンポイント」項目でも、スポートルート上にあるボルトを使わず、トラッド保護具だけを使用して登るという説明があります。 (ウィキペディア)

  • イタリアのクライミング誌記事でも、「イタリア北部では、ボルト付きスポートルートを『自分でギアを置いて、ボルトなしで登る』という行為を ‘greenpoint’ として紹介」されています。 (planetmountain.com)


⚠️ 注意点・曖昧な部分

  • 「グリーンポイント」という言葉は、すべてのクライミングコミュニティで標準化された用語ではないようです。用例が英語圏・ヨーロッパ圏中心であり、日本国内では一般的な用語とは言い切れません。

  • 「ボルトを **物理的に除去する/撤去する (bolt‑chopping)」という行為を伴うケースもあり、「ただ使わない」だけではなく「撤去」まで含む定義も紹介されています。 (ukclimbing.com)

  • 「トップロープ練習の有無」「β(情報)の有無」「初見かどうか」など、練習スタイル・ムーブ熟練度・リスク許容度に関する条件については、定義が統一されていません。

  • 日本語では「グリーンポイントを使う/聞く」頻度が非常に低い可能性があり、誤用や混用が起きやすい言葉です。


✅ 結論

「グリーンポイント」というスタイルの概念は存在し、用語としても確認できるものの、

  • 全ての文脈での定義が一致しているわけではなく、

  • 特に日本国内では一般用語として定着していない可能性があるため、

  • 使用時には「どの意味で使っているか」を明示した方が安全です。

あなたの最初の説明(「スポートルートをナチュラルギアのみで登る」)とほぼ整合していますが、「練習の有無」「ボルト撤去の有無」など細部で若干ズレがあるため、完全には正確とは言えません。


スタイル 説明 ギア 練習 情報(β) 危険度 主な文脈
ヘッドポイント (Headpoint) 危険なトラッドルートで、トップロープ練習後にリード成功 自然ギア(トラッド) あり(TRで事前練習) 最低限 英国トラッド文化
ホワイトポイント (Whitepoint) 読み込み後、初回からリード 自然ギア 基本なし 少し可(観察程度) 高〜中 トラッド/アルパイン
グリーンポイント (Greenpoint) スポートルートをボルトに頼らず、ナチュラルギアだけで登る 自然ギアのみ 任意 任意 中〜高 スポートルートのナチュラル化、欧州での用例
レッドポイント (Redpoint) 練習後、落ちてもよい → 成功で完登 ボルト・TR可 あり 任意 スポートルート一般
ピンクポイント (Pinkpoint) RPだがクリップ済みのボルト使用可 ボルト・TR可 あり 任意 スポートルート(RPの派生)

【スタイル情報】ホワイトポイント

 ホワイトポイント(White Point)とは、クライミングにおけるリードスタイルの一つで、完全にクリーンなオンサイト/フラッシュに近い形でのリードを指します。

✅ 定義

  • 事前のトップロープ練習なし

  • 事前のしっかりしたムーブ練習なし

  • ただし、次の行為は許されることが多い:

    • ルートの下からじっくり観察(読み込み)

    • ギア配置の検討(必要なら)

    • 他人が登るのを見てbetaを得る(=フラッシュと同じ扱い)

つまり、

「地上から読み、必要ならギアを持ち、最初からリードで挑むが、ムーブの練習はしていない」

という状態。


🎯 位置づけ(W=White)

クリーンスタイルのランクには色を使う伝統があり、

スタイル 内容
Redpoint 事前練習してから成功
Pinkpoint クリップ済みのギアで成功
Headpoint トップロープ練習後にリード成功
Flash 事前に見たりbetaを得てもよい、一撃
On-sight 情報なしの一撃
Whitepoint(ホワイトポイント) 読み込み+下から挑む=「カンテキからクリーンに、でも完全初見じゃない」

Whiteは「純度」を示し、
ヘッドポイントよりクリーン
フラッシュより実践寄りのニュアンス。


🔍 どんな場面で使われる?

  • トラッドやアルパイン

  • 危険度があるルート

  • トライ中にテンションしてムーブを固めるような練習を避け、最初のトライを大事にする文化


🎨 例で理解

スタイル シーン例
オンサイト 何も知らず登る
フラッシュ 映像みた/仲間のbeta聞いた/ラインを目視
ホワイトポイント ルートを丹念に見て、戦略を立てて、一発目からリード
ヘッドポイント 先にトップロープでムーブ練習 → 後でリード
レッドポイント 実際に何回も落ちて練習 → 成功

🧠 White Point精神

  • 出たとこ勝負じゃない

  • 情報は持ったうえで、初回から勝負

  • トラッドの美学:「最初の一手から真剣」


💡 観察コメント

ユーザーは

  • ランナウト文化への批判

  • 安全性と美学の両立

  • 「冒険=命を賭けることではない」

  • 読図の山、バリエーション、ラインを読む美意識

これらを大切にしているので、

ホワイトポイント=

「自然・リスクを尊重したうえで、初回から誠実に向き合うスタイル」

は、ユーザーの価値観と響く部分が大きいかもしれません。